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公開日:2026.10.09

写真家廣富さん 写し取る棚田の息遣い 10年間の風景ずらり

  • 棚田の風景を描く子どもの後ろ姿を捉えた写真について語る廣富さん

    棚田の風景を描く子どもの後ろ姿を捉えた写真について語る廣富さん

 葉山町上山口にある棚田の風景やそこで作業する人々に焦点を当てた写真展が葉山町立図書館2階の「葉山まちづくり館」(堀内1874)で開かれている。展示されているのは、10年にわたり棚田を題材に撮り続けている写真家・廣富登さん(78・横浜市在住)の作品約20点。10月29日(木)まで。

 廣富さんは風景とそこに根付く人々の営みを写し取るスナップ写真家。会社をリタイアした64歳から本格的に写真家として活動をはじめた。コンテストの入賞歴は70回以上。昨年には葉山の古民家や戸塚区で棚田を題材に写真展を開催した。

 廣富さんはインターネットの情報を元に2016年、初めて棚田を訪れた。その景観の良さに圧倒されていると、地主の1人に声をかけられ交流が始まった。「撮らせていただく」。この姿勢を崩さず、丁寧に信頼関係を築いていき、次第に農作業にも誘われるようになったという。

 また、廣富さんは田植えや稲刈りなどの作業が終わるたび、撮影した写真をプリントして現場に持参し、作業者に手渡す取り組みを10年間継続。1年間の活動をまとめたフォトブックも作成して希望者に届けるなど、温かい交流を紡いできた。

女性や子どもに焦点

 これまでの撮影枚数は計1万5千枚にものぼる。今回の写真展では、ここ2〜3年で特に増えたという「女性ボランティアや子ども」の姿にスポットを当てている。

 かつては男性中心だった現場に女性たちが加わったことで、作業場には歌声や会話が飛び交い、「ある種の『明るさ』が生まれている」という。稲を乾燥させる「稲架(はさ)掛(が)け」で力強く作業に励むたくましい姿や、和やかに教え合う様子、一生懸命に田んぼに向き合う子どもたちの表情など、エネルギーに満ちた棚田の“今”を、鮮やかに捉えている。

 「江戸時代から続く葉山の棚田は歴史も長い。そこに誇りを持って『なんとか守りたい』と一生懸命作業する方々の姿を少しでも伝えられたら」と話している。

 入場無料。休館日は10月13日(火)、19日(月)、26日(月)。

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