神奈川大学野球連盟審判員 藤原 三枝子さん 亀井野在住
根性で掴んだ審判員
○…神奈川県内で唯一、大学野球の女性審判員を務める。2年前まで高野連の審判員として活躍、昨年から大学野球へ飛び込んだ。「高校野球よりはるかにレベルが高いゲームなので、スピードについていくのが大変。的確な判定ができるように自分を高めたい」。自身を鼓舞し、4月1日(日)に開幕する春季大会へ向け、毎日トレーニングに励む。
○…宮崎県出身。中学、高校とソフトボール部に所属。ポジションはキャッチャー。「本当はピッチャーがやりたかった」と苦笑い。高校時代にはIH(インターハイ)に出場、「とにかく勝ちたい」。負けん気の強さで1年からレギュラーを獲得した。卒業後は恩師の「自分がやりたいことの前に、みんながやりたがらないことをやりなさい」という教えにならい、看護学校へ進学。「好きになれるように頑張った」。
○…結婚を機に藤沢へ。「人情のある住みやすい街」という。息子は野球少年に。少年野球の試合中、2塁審がミスジャッジ。その時「子どものゲームだからいいや、ではなくプロの試合と同じように正しくジャッジしなければ」と強く思い、審判員を目指した。「高校野球の審判がやりたい」。その想いは無条件だったという。当時、女性審判員は皆無で、野球界は男の世界。「みんなに反対された。でもどうしてもやりたくて。最後は根負けさせました」と、目を細めて茶目っ気たっぷりに笑う。その後、講習などを受け1999年高野連の審判員に登録。1年間で300試合の審判員を務めたことも。無我夢中で駆け抜けた。
○…「高校生だった子どもたちが、大学生になってあいさつに来てくれるの。立派になった姿を見ると、涙が出るほど嬉しい」と優しい眼差しで語る。わが子のように子どもたちの成長を見守りながら、自身の「信念」を持って、今日もジャッジする。
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