新時代が幕を開けた。令和になり、今後大きく進展が見込まれるのが、藤沢駅周辺の再整備事業だ。現在の街並みが完成して約40年。市も時代に即した機能を備えようと、重点課題の一つと位置付けており、北口ペデストリアンデッキでは年内完成をめどに改修工事が進む。整備事業の進捗を追った=中面に関連記事(市長×会頭特別インタビュー)。
駅舎改修、自由通路も拡幅へ
今年2月、市はJR東日本、小田急電鉄と南北自由通路拡幅と駅舎改良に向けた3者協定を締結した。これにより3者は2023年度をめどに工事に着手。完成後は藤沢駅の南北をつなぐ約80mの自由通路が8mから16mに拡幅し、1階にある小田急線の改札口は2階JR改札の南側に隣接することになる。
通路と駅舎の改修は、再整備事業の要だ。藤沢駅はJR、小田急、江ノ島電鉄の3線が乗り入れる交通の要衝。1日あたりの平均乗降客数は約41万人にのぼり、市内最多を誇る。
一方、現在の景観を形作る藤沢駅周辺の整備事業が完了したのは1979年のこと。当時は周辺駅に先駆けていたが、40年が経過し、老朽化に加えてバリアフリー化などへの対応が遅れた。
出遅れた都市基盤の整備は地域経済にも影を落とし、06年には「東急ハンズ藤沢店」や「丸井藤沢店」が相次いで閉店。その後、11年に辻堂駅前に大型商業施設のテラスモール湘南が開店するなどし、相対的に同駅周辺は時代から遅れていった。
再整備は鈴木恒夫市長の肝いりでもある。市藤沢駅周辺地区整備担当は「通路と駅舎を整備することで南北を行き交う人の流れがスムーズになり、藤沢全体の活性化にもつながる」とメリットを説明する。
北口デッキ、年内完成
市は12年3月に「藤沢駅周辺地区再整備構想・基本計画」を策定。周辺道路を皮切りに北口から順次、整備を進めてきた。
現在進行しているのが、「サンパール広場」の愛称で市民に親しまれる北口ペデストリアンデッキ。エレベーターやエスカレーターを設置するほか、天然木のウッドデッキや人工芝の広場などを整備し、年内の完成を見込む。
また改修後の広場は近く発足するエリアマネジメント組織が市からの委託を受けて一元管理する予定。市民参加型のイベントなどを展開することで、賑わいや憩いの空間を創出する考えだ。
南口も一帯整備へ
市が想定する、駅改良の事業期間は約10年。その後は南口駅前広場の整備に移行する。
市は南口整備に向け、2つの検討組織を設置。デッキの方向性や広場全体については学識経験者や市民、地権者らから成る「駅前広場等あり方検討会議」が、交通機能については鉄道やバス事業者らから成る「交通広場調整会議」が18年度末までに検討を重ねてきた。
市は一昨年11月に行ったアンケート調査の結果も踏まえ、今年度、基本計画の素案を議会に提出する方針。また南北を結ぶ地下通路のうち、北側については19年度に詳細設計を行い、20年度に着工を予定している。
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