一般社団法人神奈川県サッカー協会の第4代会長を務める 関 佳史さん 大船在住 69歳
「サッカー王国」次代へ
○…1929年の発足当初は16団体だった協会の登録数は、現在フットサルを含めると1800団体超の大所帯に成長した。安定的な競技人気に加え、近年は女子や障害者、シニアと裾野は広がり6年後には創立100周年も控える。1期2年に課せられた自らの役割を問われると「先人の積み重ねを踏まえ、タスキをつなぐこと」と重責を受け止めた。
○…選手や指導経験者を除く「外部理事」の会長就任は一般社団法人設立移行後では初。テレビ神奈川に36年勤め、その後関連会社の社長を務めた経営手腕を買われた。今の県内競技事情をこう評する。「神奈川はサッカー王国と言っていい」。昨年ワールドカップでは県内育成選手が7人選ばれベスト16に進出。J1では2017年から県勢が6連覇した。今夏の高校総合体育大会でも県勢2校が4強入りするなど後進の成長も目覚ましい。躍進の背景にはクラブと学校が協働してきた経緯がある。「それらが独自の好循環を生み、選手育成に寄与している」と分析する。
○…12歳からサッカーを始め、湘南高校時代は部活動でグラウンドを駆けた。「練習がきつくて合宿は地獄だった」と苦笑い。だが競技で培った思考方法や物事への向き合い方は人生の財産に。今も東大OBの仲間と毎週末ピッチに立ち「とりあえず75歳まではプレーしたい」と意気軒高だ。
○…選手育成や部活動の地域移行、女子サッカーのさらなる普及。一大組織にも時代の要請とともに課題が山積する。その一つひとつが一朝一夕で解消できるものではなく、時間と地道な活動が欠かせない。”王国”の素地を作ってきた歴史の先には未来が待っている。次代にそのバトンを渡すため、奔走することを惜しまないつもりだ。
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