藤沢 社会
公開日:2025.08.22
医療的ケア児の"好き"発見
市民団体がおもちゃ企画
医療的ケア児とその保護者を対象としたイベント「みんなのすきをみつけよう!」が9月23日(火)、藤沢市役所分庁舎2階で開かれる。「藤沢市医療的ケア児と家族と支援者の会 HOMIES」の主催。「難病の子どもたちにこそ"遊び"の時間を」という思いの下、県立こども医療センター「病児と家族のおもちゃと遊びのボランティア シャボン玉」で活動するメンバーを招き、あらゆるおもちゃの中から好きなものを見つける。
付き添いで休退職も
医療的ケア児は人工呼吸器や胃ろうなどを使用し、たんの吸引や経管栄養といった医療的ケアを日常的に必要とする子どもを指す。厚生労働省の調査では全国に約2万人いるとされ、過去20年でおよそ2倍に増加。医学の進歩を背景にNICU(新生児特定集中治療室)など高度な医療施設で助けられなかった命を救うことが可能になったためだ。藤沢市こども家庭センターによると、市内の対象者は今年4月時点で63人いるという。
医療的ケア児が保護者の付き添いがなくても、学校生活で必要な支援が受けられることを盛り込んだ「医療的ケア児支援法」の施行から4年。しかし文部科学省の調査(昨年5月時点)によると、幼稚園、小中高、特別支援学校に通う9500人のうち、6割近くの保護者が付き添いをしており、仕事を休退職する人もいるのが現状だ。
「社会変える力を」
HOMIESの岩田陽子代表らメンバーは、クリニックや保育園などで小児と関わる看護師。医療的ケア児の保護者と接する中で、当事者同士の接点がないことに気づいた。「自分のせい」と精神的に追い込まれていく母親の姿も見てきた。
「互いの思いを身近に分かち合える場をつくろう」と昨年11月、団体を発足。翌月と今年3月には「おしゃべり会」を開催した。会は好評で、その後もLINEで悩みを相談し合ったり、ランチ会や公園へ一緒に散歩したり、安全安心に足を運べる外出先を情報交換したりする参加者が多くいたという。岩田代表は「皆の気持ちも少しはほぐれたと思う」と話す。
参加者が会員となり、現在市内を中心に約30人で活動する。学校への付き添いの他、災害時の備えや成人後の受け皿など課題は山積みだが、岩田代表は「ただ会を楽しんで終わりではなく、今後の生活にプラスをもたらしたい。例えば音楽会に行くなど、できないことをできるようにし、住みやすい地域を仲間と作っていけるような社会を変えられる強い力を得られれば」と展望を語った。
イベントでは、世界のおもちゃ約50点を詰め込んだセット「あそびのむし」で遊ぶ。参加費3500円(お土産付き)。
申し込み、問い合わせはメール(homies.fujisawa@gmail.com)。
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