第64回鎌倉市陸上競技選手権大会の一般男子5000mで優勝した 白井 正和さん 植木在住 55歳
目標は5年前の自分超え
○…先月行われた市陸上選手権の一般男子5000m。55歳で優勝を果たした選手に大きな拍手が起こった。「出場人数が例年より少なかったけどね。うれしいやら、恥ずかしいやら」。”おじさん”の走りで、同年代や若者たちにエールを送れていたらと振り返る。
○…中学から大学まで陸上部に所属。以来ジョギングを日課としてきたが、50歳の節目を前に気持ちに変化が生じた。「体が動くうちに自分の限界に挑戦しよう」と、陸上競技に本格的に打ち込むことを決意。陸上トラックでの練習を週2回、職場から自宅までの約19キロのランニングを週1回続け、51歳で出場した大会では自己ベストを更新した。
○…3児の父。1500mを専門とする高校3年の長男は、共に練習を重ねるパートナーでもある。1年前、親子で出場した大会では、「距離の長いほうが分がある」と1万mに挑戦。8000m手前まで並走を続けた末、先着したのは父親だった。「息子からはいつも刺激をもらっている。頑張っている姿を見せることができたかな」と振り返り、「一緒に出場できたことは宝物」と話す。
○…今後の目標は、「自己ベスト更新」。年を重ねるごとに衰えを感じ、好タイムを出すのも難しいと言うが、練習方法を工夫することで克服しようとしている。練習メニューに関する書籍を読み込み、競技者目線で書かれた内容を、自分向けのメニューとして落とし込むなど、「試行錯誤の連続」と話す。努力も実を結びはじめ、昨年には自己ベストにあと3秒まで迫るタイムを叩き出した。「体の衰えを努力と工夫によって食い止めていきたい。51歳の自分を超えられるかも」。5年前の自分超えは射程圏内にある。