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鎌倉 コラム

公開日:2026.03.20

鎌倉のとっておき 第193回
「ばけばけ」の見た鎌倉

  • 「ばけばけ」の見た鎌倉 (写真1)

 朝の連ドラの主人公ラフカディオ・ハーンは、明治23年にバンクーバーから船で横浜へ到着、その足で鎌倉を訪れた。ハーン40歳の春であった。円覚寺では400年以上風雪に耐えた重圧な山門に感動、彫り物が無い禅寺特有の渋さを体感した。大釣鐘の音色は「パイプオルガンの低音部の響き」と語った。次に訪れた建長寺では同じ禅宗様式の山門や仏殿を見てまた円覚寺に来たかのような錯覚を覚える。仏殿内部には石板が敷き詰められ、西洋人にとって靴を履いたままお参りが出来ると喜んだ。円応寺で閻魔様と対面した彼は「得体の知れぬ物の怪が、こちらをじっと睨みつけている。私は思わずびっくりして後ずさった。思いも寄らぬ巨大な化け物の顔であった」と表現した。次に訪れた大仏では、自ら「大仏様」と親しみを込めて呼び、大仏様こそ日本人の魂の中にある優しさと安らかさの象徴で、口元にたたえられた笑みを東洋的微笑と賞賛した。また長谷寺十一面観音像の冠を見た彼は「小さな観音様のお顔がまるでピラミッドのようだ」と表現した。彼は名所を訪れるに留まらず、大釣鐘、建長寺地蔵菩薩、閻魔様等にまつわる言い伝えに触れる。旅先で得た伝説、縁起譚はその後の怪談が芽生えるきっかけとなった。彼は怪談を通じて日本人の精神性や日常の中にある美しさ、そして不思議な世界を日本文化と共に海外に伝えた。その後彼は小泉セツと結婚、明治29年日本に帰化し「小泉八雲」と改名、その生涯を日本で過ごす事となる。

井上 靖章

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