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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2012.09.21

小出川彼岸花団体協議会の会長を務める
宮治 満さん
藤沢市在住 74歳

「赤いじゅうたん見に来て」



 ○…小出川秋の風物詩「小出川彼岸花まつり」が9月29日(土)から始まる。毎年、東京、川崎、横浜など市内外から延べ5万人の来場客で賑う。打戻(藤沢)、遠藤(藤沢)、せりざわ(茅ヶ崎)、おおぞう(寒川)4つの彼岸花の会からなる団体協議会の会長として、「2市1町で構成されているので、まとめるのが大変。会員やボランティアみんなで、5月から草刈を始め手入れをしてきた。多くの人に見に来てほしい」と呼びかける。



 ○…彼岸花の名所となったきっかけは、35年前、自宅近くの水田に彼岸花の群生を見つけたこと。「赤いじゅうたんを敷き詰めたように花が咲けば、みんなが見に来てくれると思って」。しかし当時は夢のような話だったという。最初は300mだった彼岸花コースも、10年前に遠藤、8年前にせりざわ、3年前におおぞうと徐々に範囲を広げていき、今では3Kmものコースになった。「橋や道を作ってもらうのは大変だったけど、観光客のみなさんに来ていただきやすくなった」と苦労話も、笑顔で話す。



 ○…農家の長男として生まれ、以来74年間ずっと打戻に居を置く。御所見小、御所見中、平塚農業高校と卒業後、父親の後を継いだ。「農業一筋」。黒く焼けた肌とごつごつした手が、その言葉に説得力を与える。最近では、農業は儲からないという理由で離れる人が増えている。しかし「農業は自然相手。いつの時代も全力を尽くしてやるだけ」ときっぱり。現在は息子夫婦と一緒に切り盛りし、野菜を中心に栽培している。



 ○…息抜きは旅行。他の地域に行くことで、勉強することも多いという。「車窓から見る景色は、自分の農業にも反映させている」。やはり、農業一筋。息抜きの旅行でも、ついつい農業のことを考えてしまう。そんな実直な人柄だからこそ、4団体をまとめることができるのだと思った。

 

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