コロナにおける外出自粛や時短要請が長期化する中、売り上げが低迷する事業者から悲鳴が上がっている。
2回目の緊急事態宣言とともに、イチゴ狩りのシーズンを迎えた市内柳島の「茅ヶ崎ナベヤ苺園」。ハウス内の3密回避のためにイチゴ狩りは週末のみ。入場制限も行い、1時間1組限定という貸切り状態で営業する中、園主の鍋谷隆之さん(38)は肩を落とす。「週末は1日あたり150〜200人で賑わっていた昨年と比べて今年はどんなに効率よく回しても40人が限界。売り上げも4〜5割減った上に、労働時間も増えてしまい疲労困憊。本気で直売専門に切り替えようかと悩んでいる」と吐露する。
同園は市内唯一のイチゴ農園として、2019年12月に開園。来場者相当数のイチゴを確保する必要があるため、直売や飲食店などへの販路拡大に踏み切れないのが現状だ。また、摘み取られなかったイチゴは、廃棄につながるジレンマも。一部ジャムに加工するも、追いついていない。「お客様に食べてもらえるのがうれしいけれど、来場を呼び掛けることもできず、つらい」と嘆く。
2月20日(土)からは1時間10人前後の入場に切り替えて、窮地をしのぐ。
外出自粛で服離れ
アパレル業界も大きな打撃を受けた。市内共恵で海外ブランドを中心としたセレクトショップ「デュード&ローマー」を経営する秋元亮さん(33)さんは「1月の来店者数は10人ほど。売り上げも前年比84%減の落ち込み」と頭を抱える。
2017年に開店した同店は、横浜や都内からの来店も多く、メディアへの衣装提供なども行っていた。コロナ禍では、来店を1組1時間ごとの完全予約制にしたり、テレビ電話を利用したオンライン接客でしのいできた。しかし、長引く外出自粛やテレワークで「着ていく場所が無い」と服離れが進む。「来てほしい。だけど、お客様の健康を考えると集客もできない」と秋元さん。
これから春物の入荷が本格的に始まるが、すでに1年前に海外ブランドのオーダーは済んでいるため、もうキャンセルはできない。「多い月で2〜300万円の支払いがある。正直しんどい」
新サービスを創出
国内旅行の予約、プランニングなどを行う市内本村の「湘南旅行舎」もまた、売り上げ減少に直面している。19年3月に創業したばかりの渡邊聡代表(46)は、「2年目で『これから』というタイミングだった。特に昨年3月末から5月まで売り上げがほとんどなかった」と振り返る。
GoToトラベルの効果もあり10月から少しずつ動き始めたものの、12月頃には「第3波」が本格化。年末年始の予約もキャンセルが相次いだ。1年間で稼働したのは、わずか4カ月程度だ。
「できることは少ないので、世の中が動き出した時のために準備を整えている」と言い、そのひとつが「LINE」を使った顧客との打ち合わせ。出発地や目的地、日時など希望を入力してもらい、渡邊さんが旅行プランを提示することで対面せずともサービスが成り立つ。「思いのほか好評をいただいた。旅行へのニーズは、これからも無くなることはない。国内各地の魅力を発信する方法を考えていきたい」
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