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茅ヶ崎・寒川 人物風土記

公開日:2025.10.03

八木重吉詩碑建立20年を受け、記念の会を開いた八木重吉を語る会会長の
川井 盛次さん
茅ヶ崎市菱沼海岸在住 84歳

「重吉を後世に」情熱燃やす

 ○…3千余りの詩を残し、結核により29歳の若さで茅ヶ崎市で生涯を閉じた詩人・八木重吉。その功績をたたえようと活動する「八木重吉を語る会」の会長を務める。同会は20年前、高砂緑地に詩碑を建立。10月2日には記念の会を開き、重吉の詩の朗読などを行った。当時に思いを馳せ、「多くの企業や団体、個人の協力で詩碑が完成した。今でも感謝の気持ちでいっぱい。もっと重吉と茅ヶ崎のつながりを知ってほしい」と願う。

 ○…茨城県出身。高校教員免許の取得とともに茅ヶ崎に居を構えた。国語教師を務める傍ら大学院に通い、定年後は大学で万葉集の講義を行ってきた。同会には知人からの紹介で23年前に入会。会の活動や講義などで多忙な日々を送っていたが4年前、自身が師事する歌人の馬場あき子さんの発表会に向かう途中に転倒。左腕と腰の骨を折る大けがを負う。歩行困難となり、それを機に糖尿病も患った。それでも、「仲間と共に絶対に会を残したい」と活動を続けてきた。

 ○…短歌作りが日課。日常、ふと浮かんでくる言葉の数々を丁寧に紡ぐ。短歌には人をひきつける魅力があるという。創作に、会の活動にと意欲が衰えないもう一つの理由は、「妻のおいしい手料理。食べることが生きがいだね」と感謝を込める。

 ○…詩碑に刻まれた重吉の詩「蟲(むし)」には自身が魂を揺さぶられる一節がある。「いま ないておかなければ もう駄目だというふうに鳴いてる」。自らも病魔に立ち向かった重吉のこの言葉が励みになった。「詩碑建立からの20年は病にケガと戦いの連続だったが、そのたびにこの詩がよみがえってきた。多くの市民にもっと重吉を知ってもらえるようにこれからも頑張りたい」

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