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公開日:2026.09.11
寒川町 AI町民と描く町の未来 公共施設再編をテーマに
寒川町は、公共施設の再編に向けた庁内ワークショップ「寒川バーチャル町民カイギ」を実施した。大手広告代理店・博報堂と連携し、生成AIを活用した「バーチャル町民」との対話を重ねることで、従来の調査では把握が難しい住民の潜在的ニーズを掘り起こし、コンセプトの策定につなげている。同様の取り組みは全国的にも珍しく、先進的な試みとして関心を集めている。
従来手法に課題
同ワークショップは、2025年に改定版が公表された「公共施設再編計画」を背景に企画されたもの。町では公共施設の約6割が建設から35年以上経過し修繕時期を迎える一方で、将来的な人口減少による財政悪化が懸念されている。そのため、小中学校8校を6校へ統合・再配置する学校再編をはじめ、36年度までを見据えた7つの基本方針を示している。
こうした計画を進めるにあたっては、学校と地域の集会施設を同じ敷地内に整備するなどの「複合化」、既存施設に新しい機能や別の役割を追加する「多機能化」が検討されている。
一方で従来のアンケートやワークショップなどの手法は「参加できる住民が限られる」「表面的な要望にとどまり、発言の背景にある本音や将来像を捉えにくい」といった課題があった。
「AI町民」と対話
そこで町が手を組んだのが博報堂だった。同社では広告事業を通じて蓄積してきた「生活者発想」に、生成AIを融合させた仕組みを開発。今回は町が保有する住民アンケートの結果やパブリックコメントを通じて寄せられた意見、地域情報に加え、年齢や家族構成、日々の行動パターンや価値観、困りごとまで反映し、20代から70代まで年齢や住む地域が異なる6人に加えて、町の情報に詳しい「寒川ハカセ」という7人の「AI町民」を誕生させた。
8月4日、7日、18日、21日の全4日間にわたり開催されたワークショップでは、町職員が6グループに分かれてAI町民と対話。「日々の暮らしで何に困っているか」など、本音や課題を探っていった。
その後、職員が返答を踏まえ、公共施設に必要な役割について議論を展開。最終日となった8月21日には各チームが検討した施設コンセプトを発表し、全体で意見交換を行った。参加した職員からは「AIとの対話から新たな着想を得られた」「住民インサイト(深層心理)へのアプローチ手法が把握できた」「想像以上に対話がスムーズに進んだ」といった手応えを感じる声が聞かれた。
今後の展開も
町は8月4日、博報堂と「地域課題解決に向けた包括連携協定」を締結。今後もデジタル化や地域活性化など幅広い分野で協力を進めていく方針だという。
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