真土大塚山古墳から1935年(昭和10年)に出土し、東京国立博物館に所蔵されている「三角縁四神二獣鏡」の存在を知ってもらおうと、真土神社(東真土3丁目)の氏子副総代、平井茂さんが17日、神社参道に「三角縁神獣鏡碑」を建立した。神社の戦後70年記念事業にあわせて石碑を自費で奉納、同日の奉告祭で地域住民らにお披露目した。
現在の真土大塚山公園の南側にあった古墳は4世紀後半の築造とされ、銅鏡や鉄剣、勾玉など副葬品が出土した。三角縁四神二獣鏡は直径22・1cmで青銅製、鏡の縁の断面が三角で、中国の神仙とされる東王父や西王母など4体の神仙像、蒼龍と白虎の神獣2頭が彫られ、周囲に祈りの吉祥句が刻まれている。
同じ鋳型の銅鏡は、西日本の古墳などからも出土しており、真土大塚山古墳の被葬者が、大和政権と深い関わりがあったことを示す資料でもある。
平井さんは「真土は(徳川家康ゆかりの)中原街道が通り、週末には歴史を訪ね歩く人も多い。歴史ある土地であることを紹介できる」と話し、石碑が地域のシンボルになることを期待する。石碑は台座をあわせて高さ2・2mで、どっしりとした構え。黒御影石に神獣鏡の絵柄や説明書きが記されている。
真土神社宮司の神代春彦さんは奉告祭で「大塚山古墳は神獣鏡を抜きにして語れない。今や(国立博物館所蔵で)目に触れることはないが、建立によって身近に感じることができる。歴史や伝統を子や孫に伝承できるのでは」と挨拶した。
平井さんは「神獣鏡は真土地区の宝です。発掘されたことを忘れている人もいますから、地域住民の方に広く知ってもらえれば」と話していた。神獣鏡のレプリカは平塚市博物館で常設展示されている。
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