「父の日」にバラの花を贈ろう―。市の特産品に選ばれているバラが出荷のピークを迎えている。
市内生産農家の一つ大澤知明さん(39)の大沢園芸(片岡)では、約1000坪の温室で15品種を栽培。ニュアンスカラーでブーケなどのアレンジメントしやすいサハラ、白色のアバランチェやピンク色のブロッサムピンク、くっきりとした黄色が特徴のゴールドラッシュなどを育てる。手間の少ない水耕栽培が生産の主流を占める中、「花持ちが良い」「バラ本来の特徴を表現できる」として、父の代から受け継いだ土耕栽培がこだわりだ。
出荷に向けて朝と夕方に花切りを行い、傷や虫食いのチェックや規格を揃えるなど、スタッフ11人総出で作業に追われている。東京(世田谷)市場や厚木(南関東)市場に週3回、平均2800本の切り花を出荷しており、ピークは7月上旬まで続くという。
大澤さんは、5月に各地で真夏日を記録したことに触れ、「昼間と夜間の気温差が大きく、例年以上に温度と湿度の管理に気を遣った」と言い、「温暖化の影響で年々、四季を感じにくい気候にある。品質を落とすことなく、良いバラを安定して提供していきたい」と言葉に力を込める。
平塚市のバラは1955年(昭和30)をピークに、全国トップクラスの生産量を誇り、「父の日」にバラを贈る習慣は1976年(同51)ごろに始まった。当時の生産者らを中心に需要喚起につなげようと、平塚駅前周辺でチラシを配るなどの地道な周知で全国に広まったと言われている。
平塚産のバラは、JA湘南大型農産物直売所「あさつゆ広場」(寺田縄424の1)で購入できる。問い合わせは【電話】0463・59・8304へ。営業時間は午前9時30分から午後4時30分まで。
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