平塚・大磯・二宮・中井 文化
公開日:2026.07.03
湘南ひらつか七夕まつりをつなぐ 土台づくり担う地元事業者たち 巨大竹飾り 支える郷土愛
初夏の訪れとともに、平塚の街がひときわにぎわう。日本三大七夕まつりの一つに数えられる「湘南ひらつか七夕まつり」の開催が近づくと、中心商店街には巨大な竹のやぐらが姿を現す。豪華絢爛な飾りばかりに目を奪われがちだが、それを支えているのが、土台となるやぐらを安全かつ美しく設置する地元の事業者たちの存在だ。
不安定な天候時も安全に
まつりのメイン会場となる湘南スターモールに設置される竹は、大きなもので長さ11〜13メートル程。人通りの多い市街地に安全に設置するためには、緻密な計画と技術が必要だ。
かつては人力で立ち上げていた部分も、現在は安全性を考慮しクレーン車などの重機を用いる。商店街の歩道部分に設けられた専用の設置穴にやぐらの根元を差し込み、周囲の建物を利用しながら頑丈に固定する。
やぐらを設置するのは、地元の事業者が中心。梅雨時の不安定な天候や突風にも耐えらえるような、安全性の高い整備を一番に心掛けているという。
市内の建設業者・(株)甲(きのえ)興産の田中秀明樹代表取締役(48)は、約10年前から仕事として企業飾りの掲出に携わってきた。2023年には同社が「市民飾り」(地域住民や市民グループ、団体などが自ら製作・掲出する飾り)の申し込み窓口から製作サポート、竹を支える金属製のパイプ設置までを一手に引き受けるように。それまで市民飾りのサポートをしてきた「湘南七夕の会」の休会に伴い、同社に白羽の矢が立った。4回目となる今年は、市民飾り29本に加え、数本の企業飾りの掲出を請け負っている。
田中さんは、作業をする前に警察や消防と会議し、火災時に消防隊が動けるスペースが確保されているか、緊急用はしごを動かせるか、消火栓を塞いでいないかの確認など、細部まで会場チェックを怠らない。
まつりの前日は毎年、平塚駅前に宿泊し、車両通行止めになる夜から翌朝の5時まで徹夜で「飾り上げ」を行う。息つく暇もなく朝6時30分頃からは飾りの安全検査に回り、8時には市役所へ報告。そして開催期間中の3日間は毎朝、飾りの安全点検に奔走する。
同級生の協力得て
23年に市民飾りの運営を引き受けるにあたり、田中さんは、金目小・金目中学校の同級生である建設業の(株)真(まこと)の小島純司さん(48)を頼った。「1年目は儲け度外視だったが協力してくれた。地元のつながりで頼みやすかったし、平塚の人だからまつりのことを深く理解してくれていた」と田中さんは感謝を口にする。小島さんも「ノリノリで手伝い始めた。今も楽しくやっている。飾りが縮小していくのは寂しいので、来場者と飾りがもっと増えてほしい」と語る。
持続可能なまつりに
田中さんは「市民飾りは市の税金で運営されているので、1円も無駄にできない」と力を込める。市民飾りは、まつり終了と同時に埼玉県蕨(わらび)市の観光協会が毎年10基程選び購入し、同市の七夕まつりで再び華を咲かせる。この「嫁入り」によって得られた収入は、湘南ひらつか七夕まつり実行委員会の運営費としてまつりに還元される。
田中さんは「市民飾りを製作する参加者を増やし、七夕まつりをみんなでつくる『参加型』にする橋渡しがしたい」と七夕まつりの持続可能な未来を見据えている。
平塚ならでは「設置穴」
やぐらを固定するために欠かせない存在となっている設置穴は、1988年に市の再開発の一環でつくられた。それ以前は飾りをとりつけるアーケードに負荷がかかっていたため、安全性に不安があったという。今では、平塚ならではの設備として日常風景に溶け込んでいる。
同商店街の(有)鍋屋商店・取締役会長の升水一義さん(85)は、「再開発当時、商店街のほぼ全店が飾りを出していたので、設置穴がいらないという店はなかった。重要な市の施策だったんだと思う」と振り返った。
ピックアップ
意見広告・議会報告
平塚・大磯・二宮・中井 ローカルニュースの新着記事
コラム
平塚・大磯・二宮・中井編集室
0463-25-0700
0463-25-0777
- LINE・メール版 タウンニュース読者限定
毎月計30名様に
Amazonギフトカード
プレゼント! -

あなたの街の話題のニュースや
お得な情報などを、LINEやメールで
無料でお届けします。
通知で見逃しも防げて便利です!











