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公開日:2026.07.23
中川徳生会 特養にワイナリー併設 規格外「浜なし」活用
社会福祉法人中川徳生会(高橋栄治郎理事長)は南山田の特別養護老人ホーム「中川の里」の別棟内にワイナリー(ワイン製造所)「横浜果実醸造」を開設した。規格外で廃棄される横浜産ブランドの「浜なし」を活用し、本格的に「横浜産ワイン」づくりに取り組む。
高橋理事長が規格外の浜なしを利用し、ワインづくりを始めたのは2021年ごろから。味に問題はないものの農家が出荷できず、廃棄せざるを得ない浜なしが大量にあることを知ったことがきっかけだった。農家支援を目的に「社会福祉法人の立場から社会貢献の一環として」浜なしを買い取り、スパークリングワインなどを作り始めた。当初は生産量が少量のため、一般販売はなかったが、年々量を増やし、多い時には年間3トンもの浜なしを再利用。昨年は約2000本(750ミリリットル)のワインを製造し、青葉区の商業施設などで販売され、2、3カ月で完売したという。
ワインの製造は、山梨県や東京郊外の醸造所に委託していたが、物流面など環境へ配慮や「品質についても自分たちで責任を持って提供したい」(高橋理事長)との思いから、自前でワイナリーの開設を決断した。「高齢者や障害者の雇用創出にもつながれば」と昨年7月から酒類製造免許を取得に向け、動き出していた。
年間1万本製造
ワイナリーは「横浜果実醸造」と命名。規格外の「浜なし」の他、横浜産のブドウを使ったワインづくりを通じ、地域農業の活性化、農福連携、地域循環型のものづくりを目指す。シンボルマークは「浜なし」の花を家紋のようにデザインしたもので、5枚の花びらは『横浜、農業、地域、福祉、循環』を表現しているという。
ワイナリー責任者の小川颯さん(33)は、コロナ禍の時期に山梨のワイナリーに勤めた経験を持つ。2024年に横浜に転居。昨年、同会のワイナリー開設に関する求人を見て「都心でワイナリーに携われるチャンスはなかなかない」と応募したという。奇しくも昨年3月に横浜市内全域がワイン特区に認定されるなど、地元の果物を使ったワイン製造に注目が集まる時期と重なった。
特区認定前から酒造免許取得に動いていた同会は、厳しい審査を経て7月2日付で免許を取得。同月16日から醸造を開始した。
今年は、昨年収穫した浜なしの冷凍果汁をもとに製造したワインを秋口から販売。その後、港北区や緑区の農家から今夏から秋にかけて発生した規格外の浜なしやブドウを仕入れ新作を製造する。浜なしとブドウはそれぞれ5トンずつ、年間で6000リットル以上を仕込み、8000〜1万本のワインを製造・販売する予定だという。
ワインのラインナップは「浜なしペティアン(微発泡)」、「浜なしブラン(やや辛口)」、「カベルネ・ソーヴィニヨン クレレ(赤ワイン)」など。
乾杯は浜なしワインで
小川さんによると農福連携を目指し、今後は自社畑でのブドウ栽培なども検討しているという。また高橋理事長は「飲食店への展開も検討しており、行く行くは『横浜で乾杯するなら浜なしワインで』という文化が根付いていけば」と期待を寄せた。
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