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公開日:2020.07.23

市内高校生
デフサッカー代表候補に
夢は「世界大会出場」

  • 代表候補として活躍する黒河内さん(左)と齊藤さん

 県立平塚ろう学校に通う高等部2年生の黒河内照也さん(17)=平塚市在住=が、デフ(聴覚障がい者)サッカー、U―23男子日本代表選手の候補として練習に励んでいる。同2年生の齊藤陸海さん(17)=藤沢市在住=も候補生の一人で、2021年にブラジルで開催予定の総合スポーツ競技大会「デフリンピック」出場を目標に、それぞれが所属するクラブチームで練習に取り組むなど、努力を続けている。



 U―23男子日本代表合宿への参加連絡があったのは、2018年11月頃、2人が中等部3年生のときだった。黒河内さんと齊藤さんは中等部3年生まで、国内で開かれていた障がい者向けのサッカーのイベントに参加していた。過去に2人が所属していた、平塚市のクラブチーム「アトラエンセ アソシエイション クラブ」(アトラエンセFC平塚)の宮崎智幸代表は「イベントを通じて2人の活躍が関係者の耳に入り、結果として代表合宿に呼ばれたのでは」と推測する。



 黒河内さんの聴覚障害の等級は3級で、補聴器を用いることでかろうじて聞こえる程度にある。普段は口の動きなどを頼りに言葉を認識するという。一方、齊藤さんの等級は2級で、まったく聞こえない状態だ。



 練習試合では補聴器の使用は可能だが、公式戦では着用が認められておらず、アイコンタクトのほか、筆談や身振り手振りによる対応となる。試合状況の判断がつかない時は、チームメートに後ろから押されたり、動作で指示されたりすることもあるという。



 黒河内さんは16年、中等部1年生のときに宮城県から平塚ろう学校に転入した。その後、既にアトラエンセに所属していた齊藤さんの活躍を知り、同クラブへの入部を決めたという。健常者と同じフィールドに立ち、中等部3年生までの3年間、練習に励んだ。



代表合宿は中断



 代表合宿はこれまでに県内外で定期的に開かれているが、新型コロナウイルスの影響を受け、2月に徳島県で行われたのを最後に中断が続いている。コロナ禍で思うように練習ができない中でも、黒河内さんらは日々リフティングに励んだり、決まった距離を走りこんだりするなどして、技や体力の維持に努めたという。



 黒河内さんが所属するクラブチーム「FC ASAHI」(横浜市)は6月から、齊藤さんが所属する「フットワーククラブ」(寒川町)は5月からそれぞれ活動を再開している。現状は週5日のペースでトレーニングに励んでいる。



夢は代表入り



 代表選手は合宿などを通じて人選され、大会の3カ月ほど前に出場メンバーが発表されるという。黒河内さんは「いずれフル代表に選ばれるよう、まずは23歳以下を目標に、監督の目にとまるプレーができるよう努めたい」と意気込を見せる。齊藤さんは「同年代の人よりも早く代表になれるよう、練習を頑張りたい」と目を輝かせた。

 

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