宮松町在住でYAMAHA大村楽器店音楽教室(見附町)に通う加藤亜咲美さん(17)=桐朋女子高2年=が、5月2日に神奈川県立音楽堂(横浜市西区)で開かれた「第37回かながわ音楽コンクール」に出場し、ユースピアノ部門で最高賞となる県知事賞に輝いた。
昨年は新型コロナの影響で中止となってしまった同コンクール。感染防止対策を施して開催された今年は、県内外の5歳から高校生まで742人が同部門にエントリー。2つの予選を通過した51人が本選に出場した。
加藤さんは、メンデルスゾーン『幻想曲』を披露。「直前は緊張したけど、変化に富んでいて大好きな曲なので、リラックスして演奏できた」と振り返る。県知事賞は小学1年生から9度の出場でずっと追い続けていた目標。発表の時は「信じられない気持ちだった」。
”もう一つの夢”叶う
父は作曲家、母はピアノ講師の家庭で、幼稚園年少からピアノを始めた。小さい頃から皆に自分の演奏を聴いてもらうことが好きで、コンクールでものびのびと演奏する加藤さんに、母の真寿見さん(44)は「私の方が心臓が止まりそうになったり」と苦笑する。
転機は中学1年のとき。本選に出場したが、それまで後塵を拝していた友達が年代別の最優秀賞に。「追い抜かれた感覚だった」。でも落ち込んでいたのは一晩だけ。次の日には「来年勝つのは私」と競争心が沸々と湧いてきた。
しかし、調布の桐朋女子高に入学すると、今度はコロナ禍に見舞われた。「自粛中はしっかり下手になっちゃいました」と照れ笑い。9月に対面授業が復活すると、エンジンがかかってきた。今では4時の始発に乗って片道2時間かけて通う。平日は5時間、休日は多い時で10時間、ピアノに向き合う。
同コンクールの上位入賞者は特典としてプロのオーケストラと共演する機会を得る。加藤さんも今年10月3日に神奈川フィルハーモニー管弦楽団と舞台に立つ。「ずっとオーケストラと演奏したいと思っていたので、もう一つの夢も叶いました。当日は何より聞き手に楽しんでほしい」と笑みをこぼした。
同コンクールでは、横濱ロータリークラブ会長賞に市内在住の堀口奈々美さんも選ばれている。
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