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公開日:2023.11.02
中里在住金谷さん
初出品で日展入選
戦争からの脱却テーマに
中里在住の陶芸家・金谷研介さん(73)が、国内最大級の美術展「日展」の工芸美術に初出品して入選を果たした。金谷さんは「5年かけて入選できればいいなと思っていた。入選となり光栄」と喜んでいる。
出展作品(高さ53、横36、奥25cm)は、板状に形成した粘土、砂金釉を使い、1180度で焼成した。「サイズの規定があるのを知らず、大きいものを作ってしまった」とトラブルもあったが、高さを調節し、基準に合わせながら6カ月ほどかけて完成させた。
戦争の恐ろしさからの脱却をテーマにしたといい、「真っ暗な夜空に現れた金色の光が、人々の心を照らすイメージで制作した」と金谷さん。「新しい鋭さを出したかった」と、作品は「新鋭(しんえい)」と命名した。
「まさか自分が」
金谷さんは会社員だった20代前半の頃、益子焼の魅力に引かれて陶芸を始めた。自宅に工房を構え、市内外の様々な展覧会に出展。知人の勧めで今年4月に初出品した「日本現代工芸美術展」で入選したことが自信となり、日展への挑戦を決めたという。
金谷さんは「昨年、30年ぶりに日展を観に行ったが、レベルが高かった。まさか自分が入選するとは」と驚きを隠せない様子だが、「悪い点を改善して、より良い作品を作りたい」と、初出展での快挙を弾みに創作意欲をたぎらせている。
日展は11月3日(金)〜26日(日)まで東京都の国立新美術館で開催される。
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