平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記
公開日:2025.07.18
「第73回関東東海花の展覧会」の「花苗の部」で農林水産省農産局長賞を受賞した
高橋 謙一郎さん
平塚市寺田縄在住 53歳
喜ばれる花 作り続けたい
○…「消費者に喜ばれる花」を追求した結果が結実。2月に開かれ全1462点が並んだ「関東東海花の展覧会」。131点が出品された「花苗の部」で丹精込めて育て上げた「パンジー『よく咲くスミレ』ミックス」が第2席を受賞した。5月下旬の表彰式には繁忙期で出席できず、その後表彰状が手元に届き「やっと実感できた」。喜びを胸に、7月8日には平塚市役所を訪問。「市長に報告するのは緊張したが、受賞の重みを感じ、今後の栽培の励みになる」
○…寺田縄で代々続く農家に生まれた。金田小、金旭中、大原高出身。当時は「農家を継ぐ気はなかった」というが、両親の勧めで進んだ農業アカデミー(海老名)で意識が変わった。非農家から就農しようとする人、農家の後継ぎに出会い、研修先で花の苗物を扱った。「両親が生産している野菜だけでなく、これからは花も」と、ガーデニングブームに目を付け27歳で就農。大量生産を始めると1年目は成功したが、2、3年目となると手が回らず苦戦した。
○…以来「量より質」がモットーに。花に合わせた水、肥培管理を徹底。現在は「平塚園芸」の代表として父、パート従業員2人とともに約2500平方メートルの敷地でパンジー、ビオラ、ペチュニアを中心に年間約20万ポットを栽培している。「人手不足、燃料や肥料のコスト高もあるが、負けずに高品質を届けたい」と一貫している。
○…所属する平塚市園芸協会花き部会や地元の消防団などの活動にも精を出す。多忙な自身を支えるのは消費者の声。直売所あさつゆ広場で「今年はまだ」「待っていたわよ」と、自分の生産する花苗を待っていてくれる人たちに向けこれからも生産を続ける。
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