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平塚・大磯・二宮・中井 人物風土記

公開日:2025.09.05

相州わかなご席亭会の代表を務める
佐野 文則さん
二宮町山西在住 57歳

話芸の心地良さ知って

 ○…相州わかなご席亭会は、若手落語家の桂銀治さん(30)を二宮町の人に知ってもらいたいとの思いから昨年初めて開催され、今回で4回目。「わかなご(若魚子)」と名付けられた同会は、若手芸人が立派に出世するようにと、かつて二宮でも漁獲されていた出世魚のブリにちなんだもの。桂さんの人物描写や役の演じ分けの自然さに「話しの世界が見える」と称賛。「若い人が日本の伝統芸に打ち込んでいる姿を見てほしい」と期待を込める。

 ○…二宮町で生まれ育ち、「大きな観光地はないけど、住民が良い人ばかりで町の財産」と地元愛があふれる。大学卒業後は会社員として平塚で勤務。30代の頃、テレビドラマ『タイガー&ドラゴン』をきっかけに落語ブームが起き、自身も「話芸の心地良さ」に魅了された。同会の発足は、新宿で見た桂さんの落語にメンバーが「衝撃を受けた」とほれ込んだことがきっかけ。会の飲み仲間と「この飲み代をかき集めたら呼べるんじゃないか」と一念発起し、2024年3月に席亭会を立ち上げた。

 ○…趣味は南米の民族音楽「フォルクローレ」で、5人組バンドを組んで演奏することも。ケーナやサンポーニャといった楽器で『コンドルは飛んでいく』などを演奏する。「みんなでひとつのことをするのが楽しい」。そう話す朗らかな笑顔の周りには、自然と仲間が寄ってくる。

 ○…「桂さんも二宮に馴染んできてくれてうれしい」と笑顔で語る一方、同会設立当初は寄席の運営知識はゼロだった。そんな状態から今では寄席だけでなく、若手落語家が新ネタを披露する「おろしたて落語会」も毎月開催するほど。若手の落語家の活躍の場と、町民が落語を楽しむ時間を作り続ける。

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