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公開日:2026.11.06

身代り地蔵を後世に 2年がかりで冊子刊行

  • 記念冊子を手にする鈴木会長

    記念冊子を手にする鈴木会長

 大磯町国府本郷にある西長院の「身代り地蔵」が大磯町指定有形文化財に指定されてから今年の7月で50年の節目を迎え、保存に取り組む中丸身代り地蔵尊会が記念冊子を刊行した。歴史的資料を集め、2年かけて伝承をまとめた。

 「中丸のお地蔵さん」と地域で親しまれている身代り地蔵は、行基による鎌倉時代の作といわれる。首と胴に大きな断裂跡があり、古来より人の受難の身代りとなったという言い伝えが残されている。

 さらに、戦時中には出征者の無事を願って渡す千人針に身代り地蔵の札を入れ、無事に徴兵された人々が帰ってきたことからお礼参りが盛んになり、毎年1月、8月、10月の24日に行われる縁日では、沿道に多くの屋台が並ぶほどの盛況を見せたという。

 一方で、近年は縁日の規模も小さくなり、「身代り地蔵の伝承を知る人の減少に危機感を持っていた」と、同会の鈴木馨会長(90)は冊子刊行のきっかけを話す。

 11人の会員から有志4人が編集を担当し、身代り地蔵や西長院に関する資料を集めた。

 伝わりやすさを考慮し、できる限り写真や絵図を掲載したほか、難解な文献には解説文を付け、町郷土資料館などの協力も仰ぎながら冊子を完成させた。

 冊子では地蔵が身代わりになったとされる受難の話や、かつて城山の切り通しの岩窟の中にあった身代り地蔵が、国道改修の際に現在の西長院に移設された経緯なども解説している。「資料集めと掲載の許可をいただくのに苦労しました」と鈴木会長は振り返る。

 発行部数は500部で、同院の関係者らに配布したほか、大磯町立図書館や郷土資料館に寄贈。今後は小中学校にも寄贈するという。鈴木会長は「もっとわかりやすくした絵本なども作る予定で、子どもたちに身近なお地蔵さんを知ってもらい、後世に繋げていけたら」と話した。

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