4月1日設立のまちづくり会社「まち元気 小田原」の代表社員に就いた 中戸川 洋さん (株)中戸川代表取締役 56歳
小田原に「元気」を注入
○…少子高齢化、人口減少、冷え込む雇用、そして中心市街地の空洞化。日本の地方都市が何処も抱える課題。その全てが小田原に当てはまると言っても過言ではない。責任を行政に、景気に転嫁するのは簡単だが、何かが変わるわけではない。忸怩(じくじ)たる思いを抱えた仲間たち、商人(あきんど)たちが集まって会社が立ち上がった。「行政や景気頼みでは後回しになる。自分たち市民がまちなかに暮らしやすい街にするため」に勉強会や視察を重ねてきた。「街が活き活きすることに取り組みたい」。不安と期待が同居する中、眼の輝きには決意がみなぎっていた。
○…昨年10月に行われた小田原マルシェにも関わった。久しぶりに活気付く地下街。はずむ会話。弾ける笑顔。まちづくり会社設立後も「絶対できると確信した」という。小田原マルシェだけでなく北條手作り甲冑隊やあきんど会議、NPO法人まちづくりネットワーク、観光協会催事・誘客委員会など小田原のまちづくりに、あらゆる形で関わる。「自分の生まれ育った街に元気がなくなるのは寂しい。一生懸命やってダメなら諦めるが、何もせずに見過ごすのは…」そんな思いが原動力になっている。「この歳になっても街のことに関われるのは喜びの方が大きい」。活性化のエンジンと位置づけたまちづくり会社への思いは人一倍だ。
○…3月1日に設立の記者会見を終えた。始動まで残り1か月。「今はとにかく時間が無い」と苦笑い。まずは「できることから一歩一歩進めていく」。13日には、無尽蔵プロジェクトとのコラボレーションで小田原マルシェが半年振りに開かれる。農商工の連携を軸に4月からは週2回ペースでの開催を目指す。マルシェの出店者はもちろん出資者、働き手となるボランティア…「どれも広く募っているから、って書いておいてよ」最後におどけてつけた注文は、今の偽らざる本音だろう。
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