小田原市では6月8日から始まった65歳以上の新型コロナウイルスワクチン接種を、7月末までに完了させる予定で進めている。現在、1回目の接種が約8割に到達。大規模接種に協力する医療機関を取材した。
小田原循環器病院では、金、土曜日の午後と日曜日に職員50〜60人体制で接種に当たっている。毎週850人に接種を行う中で、特に気を遣う点は密を避けたスムーズな動線の確保だという。屋外や駐車場にも職員を配置し、予約時間よりも早く来た人には車内や屋外での待機を呼び掛けている。また、予約をした人には1週間前に電話で連絡。体調を把握し、キャンセルの有無を確認している。
小田原箱根健診クリニックでは、平日午後と土、日、祝日はワクチン接種を優先。毎週1100人に接種を行っている。接種後には自前のパンフレットを配布し、副反応をはじめとする注意点を紹介。「早めにコロナの心配を減らしてもらえるよう協力したい」と、供給が整えば今後も1日210人への接種体制を続けていく方針だ。
小田原市立病院では土日も含め、週最大1600人に接種。先行して職員や医療従事者の接種を行った経験から、副反応への理解を深めるために15分間の動画を制作。待合スペースで放映しているほか、ホームページでも配信している。感染管理認定看護師の荒木政枝さんは「さまざまな情報が流れる中、恐怖心を持たれる方も多い。地域で免疫を獲得する人が増え、いつもの生活に近付けるように尽力していきたい」と話している。