小田原・箱根・湯河原・真鶴 文化
公開日:2022.04.16
小田原市
説明板で歴史を解説
小字「渋取」の由来など
小田原市が3月末、伊豆箱根鉄道緑町駅近くの広小路南交差点に、小田原城総構の歴史を解説する説明板を設置した。戦国時代から江戸時代にかけて、城を守る城郭から水田へと土地利用の方法が変わったことなどが記されている。
説明文の作成に協力した小田原城郭研究会の山口隆さんによると、総構の東縁部は湿地帯で、江戸時代になると、そこは水田として活用された。また、市内の「渋取(しぶとり)」という小字は、稲などの植物から染み出る液を意味する『渋』が由来で、総構が水田になった江戸時代に生まれたという。説明板の裏にある渋取川は当時、排水路として利用された。
山口さんは「一般の方にも伝わる言葉で説明しているので、家族や友達を連れて説明板を見に来てほしい」と話した。
昨年3月、「栄町小八幡線」新道開設に伴い、渋取川に架かっていた「新逢橋」が撤去され、歴史を説明する史料が失われていた。総構が存在していたことや渋取の由来が後世に伝わらなくなることを危惧し、山口さんら小田原城郭研究会が説明板の設置を市に提案していた。
1928年に架けられた新逢橋の銘板は現在、小田原市郷土文化館(城内7の8)に仮保管されている。
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