地域で活躍する介護・看護・保育などの専門家を講師に招き、福祉系分野への進路選択を考えている生徒たちのキャリア教育を図ろうという取り組みが県立大井高校(奥津泉校長)で実施されている。4月25日には、2年生の「児童福祉」と「社会福祉援助技術」の選択授業にそれぞれ外部講師が訪れ、生徒らに実践的な講義や体験プログラムを行った。
キャリア教育の充実を図るため12年前から福祉教育に力を入れている同校では、1年時には必修科目に、2・3年時には自由選択科目の中に「児童福祉」や「介護実習」などの福祉関連科目を設けて、地域の介護老人福祉施設や学童保育へ出向いての体験実習や専門家を招いた講義などを実施している。総合学科や福祉系コースのある高校を除けば、同校のような全日制普通科高校で福祉関連科目を設置するケースは珍しく、同校は県教委が進める県立高校教育力向上推進事業の「ボランティア・福祉教育」推進校にも指定されている。
社会福祉援助技術のクラスでは、神奈川社会福祉専門学校(平塚市)の土屋尊範氏を講師に迎え、生徒16人が高齢者の身体の状態を疑似体験するプログラムを行った。生徒たちは両腕と脛に重りを巻き、白内障の症状を体感できるゴーグルや耳栓などを装着した状態で廊下や階段を歩き、紙に描かれた図形をはさみで切りぬく作業にも挑戦。体験を通じ「目や耳などの感覚が不自由な中で暮らしている人の気持ちがよくわかった。街中にもっとそういう人たちを助ける設備があった方が良い」等の感想があがった。
また児童福祉のクラスでは、足柄上地域で紙芝居等のボランティアを展開する「ゆうゆう」の木口まり子代表らが講師となり、生徒11人に絵本の読み聞かせ方法をレクチャーした。
生徒たちが年間の授業を通じて学んだ内容は、来年2月に公開授業として行われる発表会で披露される。
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