開成町と移送に関する協定を結んだ「福祉タクシー千+α」の代表 菊池 あかねさん 開成町在住 50歳
タクシーで福祉支援
○…高齢者や障害者など、災害発生時に避難場所への移動が困難な災害時要援護者(避難行動要支援者)に関して、開成町と移送に関する協定を結んだ。社名の「福祉タクシー千+α」は、娘の名前にも含まれ、自身が好きな「千」の字と、介護事業で補えない部分も支えるとの思いを込めた。「町から要請があれば、迅速かつ安全な移送に努めたい」
○…「介護保険でカバーできる部分は、実は限られているんですよ」。これまで介護関連の職に携わる中で「利用者が買い物に行きたくても、自ら車に乗せることができない」など、どこかもどかしさを感じることが少なくなかった。「求めるその先に応えたい」との思いが背中を押し、退職を決意。4月から、自らの手で福祉タクシー開業を決めた。
○…南足柄市出身。兄と2人きょうだいで、幼少期は「兄にはよく泣かされたが、男友達とのけんかには負けなかった」と懐かしむ。物事はあまり長続きしない性格で、「中学、高校とテニスや野球部のマネジャー、バドミントンなど経験したけれど、1年ほどでやめたかな」と頭をかく。一方で介護の仕事は「仕事を通して感謝してもらえることが心の支え」だといい、気付けば今やベテランの域になった。地域内でのつながりも増え、新たな事業の礎にもなっている。
○…3人の子どもが成人した今、犬の世話やプランターでの花の育成が日課だ。最近では5歳の孫娘が外泊できるようになり「自宅に泊まりに来てくれるのが楽しみで」と家ではすっかり優しいおばあちゃんだ。50歳を迎え始める新事業は、これからが本番だ。自らの経験を生かして一人でも多くの人の役に立ちたい。「千+α」で町中を走る。