県からふるさとの生活技術指導士に認定された 杉山 照枝さん 山北町山北在住 65歳
昔ながらの味を後世に
○…農家・農村地域に受け継がれてきた生活技術を伝承している人を、県が認定する「ふるさとの生活技術指導士」。2024年度は4人、足柄上地域からは唯一認定された。03年に地元農家で設立した農産物直販加工所「とれたて山ちゃん」の運営組織に所属。現在は副会長を務め、長年の農業生産活動や加工品販売に寄与している点が評価された。「長年の活動が評価されたのはうれしいです」
○…20代前半で結婚した。夫の実家が梅干し作りを行っていたことから、姑から作り方を教わった。栽培する梅は年間約5トン。鰹節やはちみつなどの味が多岐にわたる中、全て手作りで塩だけでつける昔ながらの製造法を大切にしてきた。「梅干しは保存食。先人から受け継いだ味には意味があり、素晴らしい知恵が隠されています。そうしたもの後世に残しいきたいです」
○…結婚前までは都内で旅行会社に勤務、主に海外旅行を担当した。現在は夫と長男の3人暮らし。時間がとれると夫と旅行に出掛ける。しかし、口コミで梅干しが評判を呼び、「梱包や発送作業などで中々時間がとれないのですよ」と苦笑い。「時間があれば、観光地ではない、その国の良さがわかる土地を訪れてみたいです」と優しく笑う。
○…やまちゃんでは、10数年前からジャム作りも行い、加工部の仲間たちと試行錯誤してブルーベリー、キウイなどのジャムを開発してきた。それに加え、自宅で作った約20種のジャムも店頭に並べる。食の安全の重要性が日々増す中、必要な資格・免許を取得。近年は町と協力して住民向けに梅干しの作り方を教える。「周りに支えられここまで来たので、私ができることはしていきたい」と話した。
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