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公開日:2011.04.16

秦野で迎える被災者の春
36世帯114人が一歩踏み出す

  • 笑顔で家を出る子どもたち

 東日本大震災発生から約1カ月。福島県や宮城県から36世帯114人が秦野市で避難生活を送っている。市内の幼稚園、小中学校では、新入園・学児4人を含む29人が、新天地でスタートを切った(4月13日取材)。



 市教育部によると、4月13日までに18世帯から市内での通園・通学の申請があった。4カ所の幼稚園と13校の小中学校にそれぞれ通っている。



 市内曽屋出身で、嫁ぎ先の宮城県石巻市に住む大島文江さんは、3月24日に子ども3人を連れて実家に戻り、身を寄せる。震災発生後、自宅1階が津波で浸水したため、5日間2階に閉じ込められた。「支援物資が届いたのは3日目だけ。一人あたりポテトチップス1袋と缶コーヒー1本だった」と振り返る。



 その後、水はひいたものの、砂埃や泥がたまり、加えてライフラインが復旧せず、衛生環境が悪化した。長男の健太君がまだ2歳だったこともあり、家族で考えた結果、義父母や夫の勧めもあり「子どもたちだけでも」と避難することにしたという。



 この春から長女の遥ちゃんは本町小学校の2年生、次女の優花ちゃん(4歳)は本町幼稚園の新入園児として通い始めた。遥ちゃんは「最初は緊張したけれど、友だちができた。これから楽しくなりそう」と話す。被災直後はショックで数日間、言葉を発することができなかった優花ちゃんも、同園の制服を身にまとい、笑顔を取り戻した。



(株)関野建設は住宅11戸を無償提供



 株式会社関野建設(関野義一代表取締役・秦野市松原町2の5)は、秦野市を通じて、被災者らに対し同社所有のアパート11世帯を1年間無償で提供することを申し出た。4月13日現在11世帯のうち5世帯が利用されている。



 同社では、社員が声をかけ、衣類や様々な生活雑貨などを持ち寄り、被災した入居者たちに寄付を行うなどの協力を続けている。関野社長は「困っている方たちの力になりたかった。今後も何か協力していきたい」と話した。

 

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