現代美術家で公開中映画『ロボット修理人のAi(愛)』の美術監督を務めた 田中 太賀志(たかし)さん 鶴巻在住 62歳
活動のテーマは「生命力」
○…全国公開に先駆け、5月に秦野で先行上映会が行われた。伏線が多く何度も観たくなる、観るたびに新たな感情が沸き上がってくる―、そんな映画『ロボット修理人のAi(愛)』。実兄が監督を務めるこの映画の美術監督として映画制作に携わった。
○…映画にかかわるのは初めて。「(兄の)無茶ぶりにも対応。大道具まで制作しました。ロケ地の美しさを映像に活かすための工夫が大変でしたが、とても良い経験をさせてもらいました」と達成感をにじませた。
○…大学卒業後、美術教諭に。小田原養護学校を皮切りに、県内の特別支援学校で教鞭をとる。教員生活の傍ら、横浜国立大学教育人間科学部特殊教育特別専攻科を修了、ドイツへも留学し、教員として、アーティストとしての幅を広げた。秦野養護学校の教頭まで務めあげ定年を迎えた。
○…定年後すぐにスペインの「アーティスト・イン・レジデンス」に参加。作家活動に本腰を入れる。世界中から集う作家たちとの交流に刺激を受けた。現在、田中現代美術研究所代表。菩提に構えるアトリエは秦野に縁の彫刻家・眞板雅文さんから受け継いだ。15回を数える「丹沢アートフェスティヴァル」の立ち上げから参加。地元の美術振興にも力を注ぐ。
○…活動のテーマは「生命力」。「現代美術は今生きている人たちの断面を見せること」と話す。弾丸のように繰り出される”アートへの想い”に思わず引き込まれる。アトリエとは別に運営する「みんなの工房クンストハウス」では”誰もが美術を楽しむ”をコンセプトに初心者から美術教員まで学ぶことができる。芸術は心を養うために必要なもの。「アートを発見する楽しさ」を秦野から発信提供したいと考えている。
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