ヒノキ花粉の飛散量が例年より多くなることが、このほど県自然環境保全センター(七沢)の調べでわかった。ヒノキの雄花による飛散予測は全国初の試み。飛散は早ければ3月上旬から始まるとみられている。
調査は昨年12月に県内40カ所400本のヒノキの着花状況を判定したもの。着花点数は100点満点中52・5点となり、昨年の34・7点を上回った。また、過去4年の平均値46・3点も上回っており、要因として同センターでは、昨年7月の日照時間が長かったこと、昨年の飛散量が少なかったことなどを挙げる。
同センターは2012年から飛散予測を実施。ヒノキはスギに比べて雄花が小さいことから予測が難しく、国内でもヒノキ花粉の研究機関は少ない。
スギ花粉もやや多め
スギ花粉の着花は18年間の平均値(42・9点)を上回り50・6点とやや多くなった。飛散のピークは3月上旬の見込みだが、気温が高くなると時期が早まる可能性もある。
同センターの齋藤央嗣主任研究員は、スギ花粉症患者の7〜8割がヒノキ花粉症も発症すると指摘する。飛散が始まる前に医療機関を訪れたり、外出時にマスクを着けたりするなどの対策が必要だという。
同センターでは花粉を飛散させないスギを04年、ヒノキを13年に発見。今春に約3000本の無花粉スギの苗木の出荷を目指すほか、無花粉種の植林などを進めている。
花粉の飛散状況は同センターの公式サイト(http://www.agri-kanagawa.jp/sinrinken/index.asp)で確認できる。
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