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横須賀・三浦 トップニュース文化

公開日:2017.03.17

伝え残す戦中戦後の庶民史
女性グループが1冊の本に

  • 編さんを手掛けた6人のメンバー

横須賀ゆかり51人の記録



 郷土史研究グループの「三浦郡豊島町をもっとよく知る会」は、戦中戦後を生きた51人の記録を1冊の本にまとめた。「伝えたい」のタイトルで、戦争に翻弄された市井の人の声を聞き書きと手記で紹介している。



 本に登場するのは市内在住者がほとんど。学徒動員で南方戦線へ送られた人、人間魚雷「海龍」の搭乗員として出撃命令を待った人の従軍記のほか、幼少期や少年少女時代に経験した学童疎開の記憶などを生年順に並べている。同会のメンバーである佐藤深雪さんは、居住していた硫黄島から命からがら船で長浦港にたどりついた壮絶な体験を寄せている。 



 「学童疎開と一括りにされるが、縁故を頼って田舎暮らしを経験した人と学校単位など集団で身を寄せた人とでは異なる感想を持っている」と富澤喜美枝さん。田舎暮らしに馴染めずいじめにあった辛い思い出や厳しい食糧事情など、「人によって事実や見てきた景色は異なる。庶民史として貴重な資料となるはず」と話している。



 取材依頼から原稿作成まで6人で分担しながら編さん作業を進めた。家族に打ち明けたことのなかった経験も記憶をたどりながら話し出す人も少なくなく、「戦争を絶対に起こしてはいけない」という強い思いを感じたという。



 「戦争をリアルに体験した最後の世代がまとめた1冊。これから先は記録で伝えていくしかない。ぜひ手に取って欲しい」と6人のメンバーは声を揃えた。



 本は1冊1400円。平坂書房全店、三雄堂書店(衣笠)、信濃屋(横須賀中央・浦賀)で扱っている。

 

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