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藤沢 人物風土記

公開日:2016.07.15

神奈川県高校総合体育大会のウェイトリフティング競技69kg級で2連覇を達成した
石渡 響さん
朝日町在住 17歳

強さ求める喜びを胸に

 ○…「応援してくれる人の存在や声援が力になる。優勝したいと思って練習に励んできたので、有言実行できたことに達成感がある」。6月の神奈川県高校総合体育大会ではウェイトリフティング競技の69kg級に出場。自己ベストとなるトータル195kgを記録し、同大会2連覇を達成した。8月4日から岡山県で行われる全国大会への出場権も勝ち取り、目標であるトータル200kgの達成に挑む。

 ○…大道小、村岡中では白球を追い駆ける野球少年だった。「自分よりずっと重い100kgのバーベルを、どうやって挙げているんだろう」。進学した法政二高の部活紹介で好奇心を掻き立てられ、重量挙げ部の門を叩いた。入部当初、渾身の力で持ち上げたのは、わずかに6kg。先輩たちとの能力の差に愕然とした。「フォームもバランスも全くできていなかった」。地道な鍛錬の日々では「バーベルは、腕力より『背中と脚で挙げる』もの。フォームが何よりも大切」と学んだ。

 ○…この2年半は痛ましい怪我との戦いだった。1年生の夏休み、背中が肉離れを起こし、激痛のあまり体を起こせなくなった。2年時では持ち上げたバーベルが落下し、右肩に直撃。「肩と腕をつなぐ筋肉が潰れて、翌朝、腕を挙げられなくなっていた」。それでも諦めなかったのは、毎日懸命に練習して記録を伸ばすことで得られる成長の喜びと、切磋琢磨し合う仲間たちの支えがあったから。今年は同部のキャプテンを務め「後輩を育てて、全員が全国大会へ行けるようにしたい」という目標も見つけた。

 ○…「今回の優勝で『怪我を言い訳にしたくない』と努力してきたことが報われた。自分の歩んだ道が間違っていなかったと確認できたようですごく励みになる」。学業では英語が得意で、将来は英語教師として国際的に視野を広げたいという夢を描いている。文武両道を行く王者の挑戦はこれからも続く。

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