鎌倉市議会がこのほど開いた特別委員会で、家庭系ごみの収集を来年4月から有料化する条例改正案と補正予算案が可決された。「有料化」は来年3月末に今泉クリーンセンター(ごみ焼却場)の焼却停止を控え、ごみ排出抑制策として鎌倉市が導入を進めているもの。戸別収集の分離や条例案の取り下げなどを経て、ようやく実施が決定的となった。
鎌倉市議会は9月16日、「廃棄物の有料化に関する補正予算等審査特別委員会」を開き、来年4月1日から家庭系ごみの有料化を実施するための条例改正案とそれに伴う補正予算案を審議した。
委員からは「鎌倉市ではすでに資源化が相当進んでおり、導入してもこれ以上大幅な排出削減は図れない。費用対効果を考えると割高になる」など、有料化による排出抑制効果に対する疑問が出された。これに対し市は「排出抑制はまだ余地があると考えている。経済的負担をしてもらうことで、市民の意識をより高めたい」などと説明した。
採決の結果、条例改正案と補正予算案は賛成多数で可決された。現在開会中の市議会9月定例会の最終日となる26日に本会議で採決され、可決される見通しで来年4月からの実施が決定的となった。
時期や方法再三の修正
鎌倉市は今泉クリーンセンターが2015年3月末で焼却を停止するため、残る名越クリーンセンター1カ所で処理が可能な年間3万トン以下にごみの排出を抑える必要に迫られている。
市は当初、排出抑制につながる有料化とともに分別の徹底を促す戸別収集を14年7月から同時に実施する考えを明らかにしていた。
しかし昨年10月の市長選で争点となったことや市民向けに行った説明会で反対意見が相次いだことなどから、戸別収集の実施を断念。今年2月の市議会定例会に、「14年10月から有料化のみを実施」する条例改正案を提出したものの、対象品目が明記されていないなどの不備を議会から指摘されたため取り下げた。
その後、6月定例会に対象項目を明記した上で、実施を15年1月からとする改正案を提出し可決された。しかし今度は有料化を実施するための補正予算案が、付託された総務常任委員会で審議されない状態が続いたため、1月実施が困難に。結局、実施時期を4月とする条例改正案とそれに伴う補正予算案が、今定例会で設けられた特別委員会で改めて審議された。
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