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港北区 教育

公開日:2026.07.30

人生の原点となる母校に 横浜健育高等学院の12年

  • 10周年を記念して生徒らと作ったタイルアート看板の前に立つ中田学院長

    10周年を記念して生徒らと作ったタイルアート看板の前に立つ中田学院長

 保土ケ谷区に本部を置く社会福祉法人同愛会が運営する「横浜健育高等学院」(港北区鳥山町)が今年、開設12周年を迎えた。軽度の知的障害や発達障害がある生徒へ教育と福祉を一体的に提供し、約220人の卒業生を地域社会へと送り出している。中田聡学院長(56)にこれまでの歩みや教育方針を聞いた。

 「子どもたちに、人生の原点として誇りを持てる『母校』を作りたい」――。法人の強い願いからスタートした同学院だが、社会福祉法人が教育事業を行う全国的にも珍しい取り組みは、開設当初、全くゼロからの手探りの状態だった。手本がない中で「福祉型高等学院」を作り上げるため、試行錯誤の毎日が続いたという。生徒が安心して通えるよう思いを込めた木造校舎を建設し、10周年の際には生徒が名付けた「陽だまりキャビン」を増設するなど、温かい居場所作りに奔走してきた。コロナ禍の困難も教職員や保護者、地域の支えで乗り越え、絆はさらに強くなった。

 12周年の節目は、第1期生が社会人となり30歳を迎える年でもある。月に1度の開所日には、多くの卒業生が訪れる。順調な報告だけでなく、悩みを抱えた時に安心して帰れる場所として機能しているのだ。在校生へ自らの社会経験を語る機会も設けられており、働く先輩の生の声を聞くことが、後輩たちの大きな自信や希望へとつながっているという。

 中田学院長自身の子どもは、ちょうど1、2、5期生と同年代。「我が子と重ね合わせ、等身大で向き合ってきた」と語る。「数字としては220人だが、その一人ひとりに人生がある。卒業生が幸せそうに生きている姿を見ることが何よりうれしいし、一番の財産」。卒業生の存在が同学院の伝統と信用を築いている。「培ってきた理念を次世代へ引き継ぎ、15年、20年へ続く土台を築くことが今の使命だ」。心の拠り所となる「母校」は、これからも地域と共に熱く確かな歩みを進めていく。

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