横浜市はこのほど、土砂災害警戒情報の発表とともに避難勧告を一斉に発令する都筑区内の即時勧告対象区域5カ所を新たに指定した。区内約340カ所の土砂災害警戒区域内を調査した結果を反映させた。
指定場所は地質の専門家による調査結果をもとに、崖崩れが発生した場合に人家に著しい被害を及ぼす可能性の高い崖地を抽出。区内では勝田町の一部や大棚町の一部、早渕三丁目の一部に、池辺町の一部の2カ所を加えた計5カ所が即時勧告対象区域に指定された。
市の発表を受け、区総務課は6月中に対象区域内に住む10数世帯に対して戸別訪問を実施。また、区内の連合町内会自治会会長が集まる定例会において避難勧告を一斉に発令する区域の説明を行った。対象区域となった八所谷戸交差点そば(池辺町)の崖地付近に住む女性は「九州のような土砂災害が発生すると不安」と心配の声をもらす。
同課危機管理担当の細井久雄係長は「消防署や消防団、警察署などの防災関係機関と情報共有し体制は整えている。この5カ所に限らず地域の皆さんには備えや災害の情報収集など防災意識を高めてほしい」と注意を促している。
「過去に被害なし」
崖防災などを進める市建築局によると、今回指定した5カ所については「過去5年にさかのぼっても崩れた報告はない」としている。しかし、区内には約340カ所の土砂災害警戒区域があり2008年度から14年度の間には今回の指定にない折本町や川和町、東方町など5カ所で崖崩れが発生。同局のがけ・狭あい担当者は「日頃から一時避難場所や自宅近くの逃げ場などを確認してほしい」と避難行動の重要性を話す。
市内は91カ所に
横浜市は死者2人が出た2014年10月の台風18号の教訓を踏まえ、緊急対応として大きな被害を及ぼす可能性のある崖地、133カ所を2カ月後に指定。その後、地盤の調査結果などをもとに市は今年3月までに西区、南区、磯子区、金沢区、保土ケ谷区の5区で見直し作業を終了させ、67カ所を対象にしていた。
今回、都筑区と緑区(3カ所)、中区(10カ所)、港南区(6カ所)の調査が完了し、24増の91カ所に更新された。今年度は港北区、栄区、鶴見区、神奈川区、旭区、戸塚区の6区が対象。2017年度中には市内18区の見直し作業が終了する見通しだ。
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