旭区・瀬谷区 コラム
公開日:2026.04.16
クロモジ 瀬谷の生き物だより 195 文・写真:中村多加夫(瀬谷環境ネット)
クロモジと聞くと、高級和菓子に添えられる香りのよい爪楊枝を思い浮かべる方も多いだろう。
クロモジは、日本の山地に自生するクスノキ科の落葉低木で、本州から九州にかけて広く分布している。春先になると、新芽の根元に直径5ミリほどの丸い蕾をつけ、やがて淡い黄緑色の小さな花を咲かせる。枝や樹皮には爽やかな芳香があり、主成分はリナロールなどの精油成分で、鎮静や抗菌作用があるといわれている。
古くから香料や楊枝の材料として利用され、特に高級爪楊枝として知られる「黒文字楊枝」は、茶の湯の席でも重宝されてきた。また葉や枝を乾燥させて煎じたクロモジ茶は、リラックス効果や健胃作用があるとされ、近年再び注目を集めている。その名の由来は、幹の表面に見られる黒い斑点模様が文字のように見えることから「黒文字」と呼ばれるようになったとされる。
クロモジは雌雄異株であるが、外見から見分けるのは難しい。瀬谷区や旭区の市民の森には多くのクロモジが自生している。身近な里山の自然に触れながら、その姿や香りを確かめに出かけてみてはいかがだろうか。
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