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公開日:2023.01.01

山中市長インタビュー
「中期計画の推進に全力」
最優先は子育て支援

  • 取材に答える山中市長

 本紙では年頭にあたり、山中竹春横浜市長に単独インタビューを行った。市長は新型コロナウイルス感染症対策や経済対策に力点を置いた前年を振り返り、本年もこれらを継続するとともに、子育て支援を重点とした2022年度から4年間の横浜市中期計画の推進に全力で取り組む姿勢を示した。(聞き手/木曽祐司・添田守男)

 ――横浜を取り巻く環境が日々変化する中、昨年も様々な課題に向き合いました。

 「中でも特に力を入れてきたのが、新型コロナウイルス感染症対策と経済対策です。

 新型コロナウイルス感染症が急拡大し医療機関がひっ迫した第7波では、重症化リスクが低い方には、受診前に窓口で抗原検査キットをお渡しする取組を国に先駆けて実施し、高齢者や基礎疾患のある方などが確実に医療機関を受診できるようにしました」

 ――第8波の対応は。

 「第7波での課題の検証に加え、インフルエンザとの同時流行の懸念を踏まえ、対策を検討してきました」

 ――具体的には。

 「まず、『医療提供体制の確保』に取り組んでいます。市長就任から約2カ月で開設したコロナ専門病院(横浜はじめ病院)は国内有数の受入実績を誇り、市内陽性患者の早期治療に大きく貢献してきました。市全体の陽性患者受入病床数も、就任時から約1・5倍に拡充しています」

「住み続けたい街めざす」

 「『ワクチン接種の促進』にも注力しています。1、2回目接種時の混乱を踏まえ、私が市長に就任してからは、接種券の早期発送や接種体制の確保などに取り組み、3回目接種からは政令市でトップクラスの接種率になりました」

多世代サービス向上へ

 ――昨年12月には、新たな横浜市中期計画が策定されました。

 「今年は、新たな中期計画の取組を全力で進めていきます。本格的な人口減少社会を迎えた今、最優先で力を注ぐべき課題が『子育て支援』だと考えています。

 このたびの中期計画でも、すべての政策を貫く基本戦略として『子育てしたいまち 次世代を共に育むまち ヨコハマ』を掲げました。

 中学3年生までの小児医療費の無償化や中学校での全員給食の開始に向けた準備をはじめ、様々な子育て施策に取り組みます。

 子育て世代を呼び込むことで、地域経済の活性化や税収増、地域の担い手の確保につながり、それが、あらゆる世代の市民の皆様へのサービス向上にもつながっていく好循環を創り出していきます」

「3つのゼロ」に言及

 ――市民の関心事の一つが、公約に掲げた「3つのゼロ」の進捗です。初めに子どもの医療費について伺います。

 「中学3年生までの小児医療費の無償化は、23年度内に実施するための準備を進めています。実施時期については、システム改修や、拡充により新たに対象となる方の申請手続きなどを考慮して検討します」

 ――出産費用については、まず国の動向を注視するということでした。

 「国が出産育児一時金を23年度から50万円に引き上げるとの増額判断については、前向きに受け止めています。一方、東京都の平均額は56万円以上であり、東京に近い横浜市でも50万円より高額になっている可能性があります。

 今後、横浜市の出産費用の実態を正確に把握するための調査を実施し、本市としての対応を検討していきます」

 ――最後に、敬老パスについては。

 「敬老パスについては、昨年10月からIC化の本格運用を開始し、正確な利用実績データを把握することができるようになりましたので、そういったデータも活用しながら、敬老パスも含めた持続可能な地域の総合的な移動サービスの検討を進めています」

「生活、経済支える」

 ――コロナ禍に物価やエネルギーコストの高騰が重なり、市民や事業者は厳しい状況に置かれています。

 「皆様の生活と、地域経済を支えるという強い思いをもって、(レシートを活用し、利用金額の最大20%を還元する)『レシ活バリュー』などの経済支援策を実施してきました。

 『レシ活バリュー』はご好評いただき、約2カ月で、35万人の市民の皆様に、351億円ものご利用をいただきました。『レシ活バリュー』の第1弾が終了した10 月下旬以降も、早期の事業再開を求めるたくさんの声をいただきましたので、1月1日から再開することにしました」

万博、オール横浜で準備

 ――27年には旧上瀬谷通信施設で国際園芸博覧会が行われますが、期待や課題、また、会場のその後の利用についての方針をお聞かせください。

 「27年国際園芸博覧会は、横浜で初めて行う万博です。美しい花々や緑を皆様にお楽しみいただきたいと思います。

 そして、人と地球が直面する課題解決に向け、脱炭素社会や生物多様性などのグリーンイノベーションによる社会の実現を目指し、これまでにない新たなメッセージを、横浜から国内外に強く発信していきます。そのために現在、オール横浜で万全の準備を進めています。

 輸送手段については、瀬谷、十日市場など、4つの主要駅からシャトルバスの運行を計画しています。また、『MaaS』などのICTを活用し、公共交通の利用を促進していきます。車利用者に対しては、アプリ等により混雑状況等を提供し、自動車交通の集中を避けるなど、周辺への影響が出ないような取組を進めます。

 上瀬谷は首都圏で唯一残されている大規模な敷地であり、高いポテンシャルを持っています。万博の後には、子どもから年配の方まで全ての皆様が楽しめるまち、子育てしたいまちの実現にもつなげていきます」

市民目線大切に現場へ

 ――市長就任以来、市民とはどのような距離感で接してきましたか。

 「市民の皆様の声を直接伺うため、全18区に足を運びました。

 各区の連合町内会長の皆様や、地域で子育て支援等の活動を行っている団体の皆様にお会いし、活動状況やご意見を直接お伺いしました。

 横浜市が早期実現を目指している『特別市』についても、地区連合町内会長の皆様と意見交換を進めています。

 このほかにも、中学校給食について、学校にお伺いし生徒や保護者の皆様と直接、意見交換を行っています。これまで、各地域で実施した意見交換は30回を超えており、多くの貴重なご意見をいただきました」

 ――地域のイベントの会場で、市民の声に直接耳を傾ける姿もありましたが。

 「地域にもたくさんお邪魔しました。昨年秋には多くの区で久しぶりに区民まつりが開催され、皆様とご一緒に、地域のつながりと賑わいを感じることができました」

 ――市民へのメッセージをお願いします。

 「今年も様々な現場に伺い、市民の皆様との対話を重ねてまいります。そして、多くの皆様に、住みたい、住み続けたいと思っていただけるまちの実現に向け、市民の皆様の声をしっかりと市政に反映し、取組のスピードをさらに加速させてまいります」

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