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泉区 経済

公開日:2023.07.06

敬老パス
バス利用、平均月16・4回
IC化半年 市が実績公表

 横浜市内のバスと市営地下鉄の敬老パス利用実績(2022年10月〜3月末の速報値)がIC化により初めて明らかになった。バス利用は1人あたり月平均16・4回で、市想定の15・5回と大差なかった。市は1年分のデータを取った上で制度見直しを検討する。

   ◇   ◇

 敬老パス(敬老特別乗車証)は市による高齢者の生活支援策で、市営バス・地下鉄と市内民営10社のバス路線、金沢シーサイドラインで利用可。市内在住70歳以上の希望者が対象となっている。

 3月末時点で交付者数は40万1866人、交付率は51・1%。利用者の年額負担は所得に応じて8段階あり、無料から4千円の利用者が約65%(22年度)だ。

 社会全体の高齢化により市の事業費が膨らむことや、運行事業者の過度な負担も課題となっている。市は対策の前段階として制度設計の根拠となる正確なデータを把握しようと、昨年10月にICカードを導入した。

 半年間の敬老パス利用は約4820万回。そのうちバス乗車が約3950万回と8割を占めた。バス利用は1人あたり月平均16・4回だが、回数別では5回以下が36%、16回以上は38%で、偏りがあった。一方、地下鉄は0回が42%、1〜5回が40%で、5回以下が8割超を占めた。

 市は月平均利用回数15・5回をバス事業者に支払う負担金の積算根拠としているが、実績値と大差なかった。一方、アンケートなどからは同20〜25回の利用が想定されており、市担当者は「コロナや季節性もあり、実態を反映しているとは捉えていない」と引き続きデータ収集を行う方針。

 山中竹春市長は75歳以上の敬老パス自己負担ゼロを掲げており、中期計画(22年〜25年)にはその政策実現に向けた移動サービスの制度設計などを盛り込んでいる。

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