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戸塚区版 公開:2014年1月1日 エリアトップへ

YSCC 校庭からJの舞台へ 今季からプロクラブに 

スポーツ

公開:2014年1月1日

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子どもを指導するYSCCの本薗コーチ
子どもを指導するYSCCの本薗コーチ

 昨年11月19日、Jリーグ理事会が都内で行われ、今季から新設されるJリーグディビジョン3(J3)に、NPO法人YSCC(横浜スポーツ&カルチャークラブ)の参入が確定。横浜F・マリノス、横浜FCに次いで、市内で3つ目となるプロサッカークラブが誕生した――。

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 YSCCは1986年に本牧地区で発足。「総合型地域スポーツクラブ」として、バドミントンやバスケットボールなど気軽にスポーツに親しめる教室を企画し、現在約900人の会員を抱える。

 とりわけサッカースクールには長年力を注ぎ、小学生クラスをはじめ、ユース、女子、シニアなど世代や性別ごとにチームを運営するほか、トップチームはプロ・アマ混合のJFLリーグに所蔵。今回、Jリーグ側から参入についてオファーがかかったのは、こうした長年にわたる地域活動が評価されたものだった。

指導の底流に”個性尊重”

 外国人船員向けのバー・レストラン、「USSシーメンズクラブ」。本牧ふ頭にある港町・横浜らしいその建物の一角に、YSCCは事務所を構える。

 「子どものころ、本牧には米軍の居住地があり、すぐそばに『海外』があった」。理事長の吉野次郎氏は少年時代、芝生の上でスポーツを楽しむアメリカ人の姿をいつも金網越しに眺めていた。その雰囲気と対照的に、当時の日本ではスポーツといえば指導者が子どもたちを頭ごなしに叱りつけたり、「水を飲むな」といった理不尽な指導も見られた。

 「老若男女がのびのびスポーツを楽しみ、地域に必要とされる憩いの場を」――。そんな願いでYSCCは設立された。吉野氏は子どもたちに望むものは、サッカーでの成功より人としての成功。「家庭や学校など、子どもの環境や背景は一人ひとり違う。その声に耳を傾けなければ、適切な指導はできない」。その理念は設立当初から変わらない。

挑戦を控え直面する現実

 アマチュア契約としてJFLリーグを戦ってきた選手の多くは、他企業でのアルバイトなどで生計を立ててきた。キャプテンを務める服部大樹選手(25)もその一人。これまで日中はYSCCの職員としてチームの運営業務に携わり、時にはテニススクールのアシスタントや健康体操の講師を務めることもあった。練習は仕事を終えて夜7時に開始。帰宅は深夜近くなる。

 練習環境も過酷。専用のグラウンドをもたず、練習場所は市内の中学校や民間のサッカー場などを利用してきた。「他チームを見ても土の上で練習しているのはうちくらい。けがをさけて皆スライディングしたがらない」。雨が降れば、急きょ屋内練習へ切り替えざるを得ない状況が続いた。

 今季からはJリーグの一員。だがJ3参入後も必ずしも全員がプロ契約を結べるわけではなく、プロ選手になれるのは参入条件の必要最低人数3人にとどまる可能性もある。

 一方、これまで以上にスキルアップが求められ、選手たちは働く環境を変えざるを得ない現実にも直面している。「何に代えてもサッカーをしたい。ただ、生活が成り立たないと続けられない」と服部選手。夢の舞台を目前に、選手は切実な選択を迫られている。

支援企業募る

 J3参加には、入会金500万円と年会費1000万円が必要。3期連続で赤字や債務超過となった場合はリーグ参加資格を失うため、運営面でも健全な経営が求められることになる。

 収入源はスポーツクラブの会費やJFLリーグの入場券販売、広告収入が主。これらで人件費や遠征費、施設の借用費など支出を賄い、2012年シーズンは約400万円の黒字だった。

 しかし、今後は現在の収入以上に支出額増加が見込まれる。例えば、プロ契約に伴う選手の給与。J1所属クラブに比べれば少額だが、それでもプロ契約選手が最低限の3人でも約1000万円を要する。さらに、Jリーグの指示で今季からは練習場所として学校のグラウンドを利用できず、他の施設を借りなければならない。そのため利用費も増加の見込みで、市にも利用可能な施設紹介などの協力を要請している。

 「子どもたちの夢・希望のため、スポンサーを募集している。無理なく、長く支援してほしい」。支援額を年間3万円〜約100万円と間口を広げ、さらなるスポンサー企業の募集に奔走している。

 「乗りかかった船。難破しないように航海を」――。直面する課題を乗り越え、地域に必要な存在を目指して、Jリーグでのシーズンが幕を開ける。

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