戸塚区内の交通事故件数が減少傾向にあるなか、高齢者の関係する交通人身事故が増加している。全国的に高齢者による死傷事故が後をたたないこともあり、同署は注意を呼び掛けている。
戸塚警察署管内の人身事故件数は今年1月から5月末までで238件で、昨年より21件減少している。その一方で高齢者の関係する事故は74件で昨年より10件増(全体の31・1%)。加害者側と被害者側の各件数は統計をとっていないが、両者ともに増加傾向だという。
高齢者が加害者となるケースとしては今年2月、品濃町で68歳の男性が乗った軽自動車が右折時に二輪車と衝突する事故が発生している。これにより二輪車の運転手が大腿骨を骨折している。
同署担当者によると、高齢者の事故が増える原因に「加齢による身体の変化」があるという。視野が狭くなるため危険を見落としてしまうほか、反射神経が低下し危険への対応が遅れることも。また過去の経験を過信してしまうなど「心の変化」も指摘。「通勤・通学の時間帯は運転しないことや、踏み間違い防止などの機能のついた自動車(サポカー)の導入検討するなど、自身の心身の変化を認識し対応することが大切」と呼び掛ける。
道路横断中の被害も
高齢者が被害にあう事故で多いのは、道路横断中の事故だ。今年3月には下倉田町で、道路を渡っていた91歳の女性が、中型貨物トラックにひかれ死亡している。住宅街にある交差点で、横断歩道のない場所だった。
「『昔は車が少ない道だった』と思っていても、道路状況は常に変化している。歩行速度も低下するので、道路横断は信号機や横断歩道の利用を。また左右確認の徹底と、夜間は反射材をつけて」と担当者は指摘する。
免許証返納も増加
戸塚警察署へ免許証自主返納に訪れる65歳以上の高齢者数が増加傾向にある。1月〜4月まで1カ月あたり60〜70件程度で推移していたが、5月に入り96件と増加。全国的に高齢運転者の死傷事故が相次いでいることが影響しているとみられる。
一方で区内の65歳以上の免許証保有者数は約3万2000人であり、割合からすれば少ない状況だ。同署は免許証返納を戸惑う理由として「顔写真付きの身分証明書が無くなるのではないか」という不安があると分析。「有効期限内に返納すれば、身分証明ができる『運転経歴証明書』が発行できる。知らない人も多いので周知したい」と話している。運転経歴証明書の提示によって、割引サービスを受けられる協賛団体や施設等もある。
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