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〈連載【8】〉依存症専門医に聞く 制限型対策では不十分 IRと横浜

掲載号:2020年1月23日号

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 横浜へのカジノを含むIR(統合型リゾート)誘致に関連し懸念されているギャンブル等依存症。その現状や対策について、依存症専門医の河本泰信氏に話を聞いた。

疑い成人、70万人

 「ギャンブル等依存症」とは行政用語。国際的には「ギャンブル障害」と呼ばれ、精神障害の一つとされている。米国精神医学会の診断基準には「掛け金の額を増やす」「賭博の損失を翌日、賭博で取り戻す」「のめりこみを隠すため嘘をつく」など9項目があり、該当数で重度を判断する。厚生労働省の全国調査(2017年)によれば、生涯でギャンブル等依存が疑われる状態になったことのある成人は約320万人、過去1年以内では約70万人と推計された。

 ギャンブル障害は自然回復率が高い精神障害。適切に遊べばメンタルヘルス(心の健康)にもつながる。問題は自然回復せずに重症化する人たちへの対応だ。その背景には被虐待歴や不適切な被養育歴、うつ病やアルコール依存症などとの精神科併存症、多重債務などの社会的重圧があり、専門家の介入が必要になる。

事業者選定慎重に

 国や横浜市は対策として入場料(6000円)を打ち出しているが、歯止めにはならないと考えている。入場料を取り戻そうという発想になり、リスクに成り得るからだ。入場回数の制限も、他のギャンブルに流れる可能性があり、国全体の対策にはつながらない。

 依存者を増やさないために大事なことは、カジノ事業者が適切な遊び方を利用者に徹底的に示すことだ。極端にのめり込む人は、本来の目的を忘れるケースが多い。達成感や金銭欲のために遊んでいたのに、負けが続くと挽回しようと躍起になってしまう。こうした目的のズレを防ぐには、ギャンブルの動機を自分自身や第三者が繰り返し確認する必要がある。カジノ事業者は現場で必要に応じ利用者に介入し、適切に楽しめる体制を整えなければならない。

 横浜市も事業者を選ぶ際に、こうした基準を重視して欲しい。制限だけの対策を示すような事業者を選んではいけない。
 

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