創設40周年を迎えた深谷町の深園サッカークラブの理事長を務める 廣瀬 雄之さん 藤沢市在住 43歳
ライバル鏡に人生を歩む
○…プロサッカー選手として活躍を続ける、中村俊輔氏を輩出したことで知られる深園(みその)サッカークラブ。幼稚園から小学6年生まで120人が所属、昨冬には初の関東大会出場を果たした。今年節目を迎えたチームを監督としてもけん引する。「振り返ると私はチームと共に生きてきた。感慨深い」と頬を緩める。
○…クラブは初代代表の若林可夫(よしお)氏が、いまは無い「深園幼稚園」の課外活動として開設した。自身は同園児のときに入会。チームには同じクラスの俊輔氏がいた。当時から図抜けた運動能力を持ちながらも、誰より練習に励んでいたという。「『俊輔に勝ちたい!』といつも思っていた」。2人は小学校時代、要となるミッドフィルダーを担当。切磋琢磨していく。深谷中では別のクラブチームに所属するが、良い刺激を与え合う関係は続いていく。
○…高校は名門・帝京第三に進学。全身全霊をかけたのが、全国高校サッカー大会への出場だ。3年生のとき、県大会の決勝戦にまで進むチャンスをつかむも、PK戦で自身が外し、逸してしまう。「一週間涙が止まらず、何も食べられなかった」。大学進学後もサッカーを続けたが、情熱は再燃しなかった。苦境を救ったのが若林氏だった。「『クラブを手伝え。お前は選手よりも指導者向きだよ』と。意を決して本格的に携わり始めた」と懐かしむ。
○…30歳前に結婚、一男一女を授かる。「でも仕事ばかりで家族サービスはゼロ」と頭をかく。4年前にNPO化し、同時にオーナーとして全責任者となった。目標の1つは後継者育成。今春、大学を卒業する教え子が入社してくる。そして--胸にあるのは俊輔氏への思い。「彼が私の人生を引き締める。大切な存在」と目を細めた。
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