中区・西区・南区 人物風土記
公開日:2019.09.19
中区山手町のブラフ18番舘で9月19日から23日まで個展を開く
河田 勲さん
戸塚区在住 78歳
紙と鉛筆で世界広げる
○…政治家から俳優にミュージシャン、大学の教授など著名人が登壇する機会に足を運び、その場で肖像画を描いてきた。そしてサインをもらい、記念撮影も。「ダメもとだから。自分でも図々しいと思っています」と苦笑い。これまでに描いた人数は約600人におよぶ。40代半ばから絵画教室に通い開いた個展は43回。9月19日からは山手西洋館の一つ、ブラフ18番館で44回目を開く。
○…きっかけはキューバの革命家、フィデル・カストロ。2010年に船旅の寄港地としてキューバを訪れ、運よく講演を聴く機会を得た。そこで描いた肖像画がマスコミに取り上げられ話題に。周囲の反応も良かったことから著名人を描くようになった。画はすべて鉛筆を使いその場で描きあげる。時間にして10分から30分程度という。
○…富山県に生まれ、父の仕事の関係で転勤族に。中学生のころ、都内の高校受験を勧められ京都から上京。進学校の都立西高校で学んだ。「東大に」という親の思いもあったが、「色々工夫するのが好きで」と教職員をめざし横浜国立大へ。34年間にわたり都立高校で英語の教師を務めた。60歳で退職し趣味の世界へ。海外にも足を延ばし、アムステルダム美術館ではレンブラントの自画像をその場で模写するなど自身のスタイルを楽しむ。ピアノも好きで、教職員時代は放課後に音楽室で練習に熱をあげたという。
○…結婚を機に鎌倉から戸塚へ転居。いまは一人暮らし。「やっぱり孫と会うのが楽しみですね。来てもらえるように片づけをしなきゃね」と目を細めた。年末には有楽町での個展開催が決定。「東京デビューです」とはにかむ。肖像画の目標は1000人。年に50人ほど描くことから「あと8年くらいは生きられるかな」と笑った。
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