中区・西区・南区 社会
公開日:2026.01.01
縁起物の「左馬(ひだりうま)」
南区蒔田町の豆腐店で
昭和35年創業の松本豆腐店=南区蒔田町=には、「馬」の文字と絵が書かれた作品がある。手作りの生揚げやがんもどきが並べられたショーケースから少し目線を上げると目に入る、奥の壁に飾られている。
ただの馬の字ではない。字が左右反対になっている「左馬」だ。この左馬、商売繁盛や招福万来の意味を持つ縁起物として知られている。由来は「うま」を逆から読むと「まう(舞う)」で、めでたい席で踊られる「舞い」を思い起こすからという説などがある。
店主の松本薫明さん(63)によると、父の代に誰かから譲り受けたと推測されるが、作者や制作年、店に飾られることになった経緯は不明とのこと。
中央に書かれた字の左右には躍動する6頭の馬の絵が描かれている。額縁の裏には、左馬の説明とともに「さらに馬が9頭いることから、うまくゆく 何事もうまくゆくとなる」と記された紙が挟まれている。しかし、松本さんの妻の綾子さん(54)いわく、「馬の絵は6頭。字を入れても7頭にしかならない。残りの2頭はどこにいるのかしら」と、なんとも謎が多い。
薫明さんは「一千万円で買ってくれる人がいれば売るよ」と冗談を言いつつ「福を招く縁起物として、これからも飾っていきたい」と話す。同店に左馬の作品がある理由はさておき、「うまくゆく」の謎を解き明かせる自信がある人は一度店に足を運んでみては。
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