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鶴見区 人物風土記

公開日:2026.07.30

選定保存技術の「組紐(クテ打ち)製作」の保持者に認定された 西岡 千鶴さん 区内在住 72歳

  • 西岡 千鶴さん (写真1)

古来技法の継承続ける

 ○…文化財保存のために必要な技能のうち、保存の措置を講じる必要のある「選定保存技術」として「組紐(クテ打ち)製作」がこの7月に選定され、同時に、その保持者に認定された。クテ打ちは、指や手に輪状にした糸を手にもち、複数人が綾を取るように組んでいた古い組紐の技法。甲冑やと刀剣、仏具などに使用され「国宝級の品物を扱うたびに、大変なことを始めてしまったと思う時があります」と笑顔で話す。

 ○…7歳の時に鶴見に移り幼少期を過ごした。大学では保育の道に進もうと教育学や心理学を学んでいた。組紐に携わるきっかけは夫の文夫さんとの結婚。24歳の時に甲冑製作には組紐が必要と声をかけられ、組紐教室に通い始めることになった。「保育園で働いていたので特別手先が器用というわけではなかった」と振り返るが、組紐の楽しさから段々とのめり込んで技術を習得していった。「周りの方がご年配の方が多く、可愛がられていたことも大きかったかも」とほほ笑む。

 ○…若い頃から弓道を嗜み、武道と共に育ち、今ではなぎなたの天道流で三段の実力者。武道で心を落ち着かせ、稽古を終えるとクテ打ちの研鑽も重ねる。「たまたまですが、弓道となぎなたで三段を取った後、大きい仕事が入ったんです。武道には不思議な縁を感じていますね」と語る。

 ○…クテ打ちで組める紐は1時間で1センチほど。時間がかかるものだが、現在は2人の弟子に技法を伝授している。「1つひとつの動作が繊細なこともあって私はプレッシャーとの戦い」と技術の高さゆえの緊張感があると話す。「私も思いを引き継いだ形でクテ打ちを続けている。この技法を後世に残すことが務めです」と真っすぐに前を見据える。

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