鶴見区 社会
公開日:2026.11.05
黒岩知事インタビュー 「特別市は分断の思想」 政令市側に連携・協調訴え
横浜市などの政令市が権限や財源の移譲を受け、県から独立する「特別市」の法制化を目指す一方、神奈川県は県内自治体間の連携や広域行政への影響などを懸念し、反対の立場を示している。本紙は黒岩祐治知事にインタビューを行い、その中で黒岩知事は住民が特別市を望んでいるわけではないとし、「行政が住民から遠い存在になる」と改めて反対の姿勢を示した。
住民目線を疑問視
黒岩知事は特別市の最大の問題点について「政令市が県から独立して新たな県になるということ」と指摘。横浜市、川崎市、相模原市がそれぞれ独立すれば、理屈の上では県が四つに分かれることになるとし、「そのことを住民の皆さんが望んでいるのか」と疑問を呈した。
「住民目線」ではなく、行政の「当局者目線」だけで議論が進むことに危機感を示した。
県内の合意形成についても、3政令市を除く全30市町村が反対している点を重視。政令市側は「30市町村に直接語りかけることを一貫して拒んでいる」とし、関係自治体による協議を求めた。
特別市による影響として、税財源や広域行政の課題を挙げ、県は政令市域の税収の一部も活用し、県内全体の行政サービスを支えてきたと説明。政令市を支えてきた県西部の水源確保の取り組みを例に、「今になって自分たちだけで独立するというのは筋が通らない」との市町村側の懸念を強調した。
医療面、県が調整役
医療面では、コロナ禍の対応を例示。県が広域調整を担い、3年間で8千人近い患者の受け入れ先を調整したとし、「この仕組みが失われれば、県の区域外となった横浜市や川崎市の患者を県として調整する理由はなくなる」と述べた。
また、警察の捜査や教育への影響にも言及。県警の管轄が分かれれば、広域捜査に支障が生じるとし、県立高校の受検にも影響が及ぶ可能性を指摘した。
一方、県と政令市の二重行政については、調整会議などで解消できるとの立場で、「問題があれば一つずつ解決していけばよく、それが県からの独立に直結する理由にはならない」と語った。
黒岩知事は横浜市と県が連携してきた「GREEN×EXPO 2027」などを挙げ、「特別市は分断の思想」であり、「分断より連携・協調こそが重要」と訴えた。県民には、特別市制度の実態と影響を理解した上で、必要性を考えてほしいと呼びかけた。
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