ミスター高橋の 連載 「貯筋」の心得 【10】暑がりVS寒がり
木枯らしに身を屈め、コートの襟を立てて歩く人の姿が目につく季節になりましたね。ところで、適温に設定されているはずの部屋にいても「温度を上げて」とやたらと寒がる人と、その逆に「暑い」と言って一枚脱いでしまう人がいます。
7月【6】のコラムでも簡単に触れましたが、「寒がる人と暑がる人がいるのはなぜでしょう」と尋ねると、
多くの方は「皮下脂肪量の違いでしょう」と答えます。確かにそのとおりでもありますが、もう少し詳しく説明をさせてください。
まず皮下脂肪が厚い肥満型の人ですが、このような体型は体重に対して体表面積が狭いのです。つまり、体表面積を自動車のラジエータに例えるなら、熱発散の効率が悪く体内に熱がこもりがちなので大汗をかいて熱を逃がそうとします。
平均体重が165kgもある力士が典型的な例で、彼らが真冬の寒さも薄着で過ごせるのはそのためです。痩せ型スポーツ選手の代表といえば、やはりマラソンランナーです。力士とは真逆に軽い体重に対して体表面積が広く、熱発散の効率が優れているからあの長距離を走りきれるのです。激しいスポーツをするには通常よりほんの少し高い体温が必要ですが、体深部温度(日本人の平均は36・9度)がやたら高くなると熱中症に罹るので要注意です。
いずれにしても、身長に対して適正な体重維持が健康の秘訣です。BMI(体重÷身長÷身長)の理想数値は22。また、理想的な体脂肪率は男女年齢によって異なりますが、60歳を例にとるなら男性で20%前後、女性なら24%前後を維持しておくのが健康的、と言われています―。
(次回につづく)
|
|
|
|
|
|
|
<PR>