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多摩区・麻生区 社会

公開日:2026.06.05

地域と病院、患者をつなぐ 「顔の見える連携」に尽力

  • 井上ふみ子さん(64)医療法人若葉会 柿生記念病院

    井上ふみ子さん(64)医療法人若葉会 柿生記念病院

 県が表彰する「神奈川県看護賞」にこのほど、多摩区・麻生区内の病院では、看護師の井上ふみ子さん(柿生記念病院)と、砂田麻奈美さん(麻生総合病院)が選ばれた。同賞は、県内で保健師、助産師、看護師などとして業務に励み、顕著な業績をあげた人を表彰して功労に報いるとともに、県民の看護に対する理解を深めることを目的に1966年に設けられた表彰制度。61回目となる今回は、保健師2人、助産師1人、看護師7人の10人が受賞。5月12日の看護の日にちなんだ看護週間中の13日に、県立音楽堂で贈呈式が行われた。受賞者2人を紹介する。

 「難しいことではなく、目の前にあることをコツコツ続ける努力をしてきた。活動を知ってもらえて、評価をいただけてとてもうれしい」と顔をほころばせる。

 中学時代、養護教諭からの「あなたは看護師に向いている」という言葉を心に留め看護の道へ。聖マリアンナ医科大学病院在職中は、1997年の介護保険法成立のさなかにあり、看護相談室の設立に向けて協力。ケアマネジャーの資格も取り、訪問看護の窓口として地域の医療連携推進に取り組んできた。2006年開院の川崎市立多摩病院には立ち上げから参加。「地域と連携するために、開業医の先生を1軒1軒回ったりしてね。顔の見える連携はすごく大事」

 情報共有の仕組みづくりに努め、多摩区周辺の訪問看護ステーションや診療所など、医療関係機関の連携を主導的に進めた。病院の機能分化が進み、入院治療を終えた患者が安心して自宅に戻れるようにと、「退院支援システム」を他の医療機関に先駆けて構築。医師や看護師、理学療法士やケアマネジャーなど、多職種でカンファレンスを行い、地域と病院をつないだ。

 昨年定年を迎え、柿生記念病院では看護部長として後進の指導にあたる。手術や検査を提供する急性期病院とは異なり、寝たきりなどの患者も多い療養型病院での初めての勤務だ。「長い入院生活の中で、ご本人の意思をどう尊重してあげられるか」。経口摂取ができない患者の感染防止のために衛生により気を付ける、苦しくないように吸引のスキルを上げる。「基本的な技術を磨いていくことが大切。看護の基本に戻った気持ち」と笑顔をみせる。

 市看護協会の役員や市病院看護部長会の会長として、看護サービスの安定的確保や看護ネットワークの充実にも貢献。「看護師として、退職しても市内で活躍を続けられるような仕組みも作っていけたら」

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