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中原区 人物風土記

公開日:2026.08.21

「井田神社マルシェ」の常連で、和装家と陶芸家として活動する 宮本 幸子さん 横浜市在住 72歳

  • 宮本 幸子さん (写真1)

「隙間」に咲かせる独自の美

 ○…「和装家」と「陶芸家」――二つの顔を持ち、独自の感性で心ときめく手仕事を形にする。春秋に開催される「井田神社マルシェ」に出展し、地域住民と温かい交流を重ねる。子どもの頃は「おてんば」と呼ばれ、30代からは銀行の営業職に就き第一線で活躍してきた。人生の転機は55歳で仕事を辞めたこと。和装を着こなす友人に憧れ、同窓会で司会を引き受けたことをきっかけに、着付け教室へ通い始めた。「どこへ行くにも着物」というほど魅了され、自ら着こなす「和装家」の称号も得た。

 ○…陶芸の世界へ踏み出したのは、「自分が本当にほしい帯留めがどこにもない」と気づいたからだ。一般的な品は細いひも専用が多く、母から譲り受けた古い帯締めや太さのあるひもを通せなかった。「それなら自分で作ろう」と試行錯誤を重ね、どんな太さのひもでも通せる穴の開いた筒型の帯留めを作り上げた。「市場にないものを作る。自分で『隙間産業』と呼んでいるんです」とチャーミングな笑顔を浮かべる。

 ○…作品は口コミや展示会を通じて一気に評判が広がり、海外の観光客がSNSで紹介するなど、その魅力は国境を越えて広がりを見せる。恐竜や猫のモチーフ、遊び心のあるチャームをあしらうなど、伝統の中に自分らしい粋を込めるのが宮本流のこだわりだ。

 ○…今秋も「井田神社マルシェ」への出展を心待ちにしている。「手仕事を通じて中原区の人々と出会い、作品を手に取ってもらえるのが何よりの楽しみ」と目を輝かせる。ゴルフや菜園づくりにも精を出すなどあふれんばかりの情熱を持ち、「仕事も遊びも全力」という前向きな姿勢で、今日も和の美とものづくりの魅力を伸びやかに発信し続けている。

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