川崎市は2月6日、2018年度の予算案を発表した。一般会計は4年連続で過去最大規模となる7366億円(前年度比278億円増)。福田紀彦市長は予算編成の根幹に「成長と成熟の調和による持続可能なまちの実現」を掲げ、少子高齢化など将来を見据えた課題への投資を強調した。
一般会計の歳入では、市税収入が5年連続で過去最大の3479億円。県費負担教職員の市費移管に伴う税源移譲分(353億円)を除いても前年度比54億円増の3126億円を見込む。納税者数の増加などにより、個人市民税が21億円増(税源移譲分除く)となった。市債発行は4億円減の573億円だが、減債基金からの新規借入金は196億円となっている。
歳出は人件費や児童、高齢者福祉に充てられる扶助費、市債返還などに充てられる公債費の義務的経費が4151億円。前年度比157億円増で、歳出予算全体の56・3%を占める。市の施策などに使う投資的経費は11億円減の978億円となっている。
待機児童対策66億増、617億円
市税収入は増えるものの、社会保障や防災・減災対策などの需要増で厳しい財政状況が続くなかで、過去最大の予算を組んだ福田市長は「『成長』と『成熟』の両輪をバランスよく回すことが、持続可能なまちづくりのために大切」と強調する。
成熟分野の具体策では、待機児童対策617億円(前年度比66億円増)や、学校施設の環境整備195億円(2・7倍)など。成長分野は国際化に対応したイノベーションの推進に34億円(5・7倍)、臨海部活性化164億円(1・6倍)などを掲げた。また、成長と成熟を支える基盤づくりとして国土強靭化・地震防災戦略の推進に20億円(19%増)など、防災機能の充実を盛り込んだ。
その他、新年度の主な事業では「子ども・若者応援基金」を活用した児童養護施設入所児童等への学習・進学支援、中小企業への起業支援や「働き方改革」推進の支援、東京オリンピック・パラリンピックを契機としたまちづくりとして若者文化の発信、道路表記の英語標識の改善などがある。シティプロモーションの推進として民泊事業の適正な運営確保による観光客の来訪・滞在の促進、クルーズ船の誘致などを掲げる。なお、特別会計は4939億円、企業会計は2151億円で、全予算規模は前年度比12億円増の1兆4456億21万円となる。
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